ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-551-DP23-4 Proportional Assist Ventilation Plusに基づく肺コンプライアンスは、術後の体重変化と相関する1)香川大学 医学部 麻酔学講座、2)香川大学 医学部 附属病院 集中治療部岡部 悠吾1)、浅賀 健彦2)、別宮 小由理2)、村上 あきつ1)、齋田 昌史1)、山田 祥子1)、中條 浩介1)、山鳥 佑輔1)、菅原 友道1)、白神 豪太郎1)【始めに】肺コンプライアンスは、肺水腫、無気肺、肺炎や胸水および胸郭の可動性や柔軟性などの肺、胸腔内、胸郭の病変や病態を反映するとされる。一方、体内水分量との関係についての報告はない。我々は、Puritan BennettTM 840 に搭載される自発呼吸様式ProportionalAssist Ventilation Plus(以下PAV +と略す)に基づいた肺コンプライアンス(以下Cpav と略す)と体内水分量を反映する術後急性期の体重変化との相関について検討した。【期間】2014年7 月1日から2015年6月30日。【対象】Intensive Care Unit(以下ICUと略す)へ入室し、PAV+による人工呼吸管理を3日間以上行った呼吸器合併症を持たない手術後患者。(n = 6)【方法】Cpav は、PAV+施行時、4 から10 呼吸毎にランダム、かつ連続的に測定される。また、体重は連日計測を行った。測定記録は、共に日本光電社製重症病棟支援システム RPM-7400を用いて記録した。PAV+による人工呼吸開始日に測定した体重からの減少量をΔ体重(kg)として、Cpav(ml/cmH2O)との相関を検討した。【検定】ピアソンの相関係数の検定を用い、p< 0.05 を有意とした。【結果】CpavとΔ体重は相関した。(回帰直線、Y= 56.266+3.277X、P= 0.035 相関係数 0.462 r2= 0.213)【考察】術中に大量の輸血や輸液により人工呼吸管理が必要となった患者に対して、Cpavと体重測定を行うことで体内水分量の管理を安全且つ非侵襲的に行えると考えられる。更にCpav測定値を呼吸器離脱プロトコルに組み込むことで人工呼吸期間の短縮や再挿管率に低下に寄与すると考えられる。【限界】長期間人工呼吸を施行する場合、PAV+が選択されない場合も多く症例が十分に集まらなかった。肺気腫や間質性肺炎など肺コンプライアンスが変化する症例は除外している。【結語】PAV+に基づく肺コンプライアンスは、術後患者の体重変化と相関する。DP23-5 拡張障害型心不全治療に対して横隔膜電位(Edi)モニタリングを活用した一症例1)岡山大学病院 麻酔科蘇生科、2)岡山大学病院 臨床工学部吉鷹 志保1)、清水 一好1)、岡原 修司1)、落葉 佑昌2)、日笠 友起子1)、廣井 一正1)、鈴木 聡1)、林 真雄1)、森松 博史1)【症例】92 才男性。歯肉癌に対し左下顎区域切除、大腿皮弁による再建、気管切開術が施行され術後ICU へ入室した。左冠動脈にステント留置の既往があったが、術前冠動脈造影では有意狭窄なく、心エコー検査ではEF 74%、E/A 0.7、DcT 205 ms、中等度の大動脈弁狭窄と軽度の大動脈弁閉鎖不全を認めた。【経過】術後8 日目(POD 8)に一般病棟に退室したが、POD 9 に病棟で頚部膿瘍を開創洗浄した後に急性呼吸不全を呈してICU へ再入室した。人工呼吸器(CPAP モード、FIO2 0.4、PS 6 cmH2O、PEEP5 cmH2O)を再装着下でもPaO2 74 mmHg であった。POD 13 に安静時の呼吸器離脱は可能となったが、身体負荷増強により心不全増悪を繰り返すため完全な離脱は困難であった。POD 18 の心エコー検査では拡張障害(EF 65%、E/A 1.6、DcT 191 ms)を認めた。呼吸負荷の可視化目的にEdiモニタリングを開始し、NAVAモード(FIO2 0.4、PEEP 5 cmH2O、NAVA レベル 0.5cmH2O/μ V)も併用した。水分管理を利尿薬投与で厳重に行うとともに、Edi< 40 μV を目標に急激な負荷を回避した。経過中に横隔膜機能不全を疑わせるEdi検出遅延が出現したが、Ediは負荷を概ねよく反映していた。Ediモニター開始15日間で体重は7.5kg 減少し、BNP は907 → 366 pg/ml まで低下、拡張機能も改善(EF > 60%、E/A 1.2、DcT 220 ms)した。Edi は安静時15-25 μ V → 5-15 μV、負荷時25-40 μ V → 20-30 μ V と安定したため、POD 32 に呼吸器から離脱した。【結語】拡張障害型心不全患者の呼吸不全に対して、Ediを呼吸負荷監視目的に使用した。Ediによる経時的評価は、人工呼吸器離脱困難な患者に対する治療アプローチの適正化につながる可能性がある。DP23-6 開心術において左心径拡大患者が術後呼吸機能に与える影響の検討明石医療センター 麻酔科坂本 元、服部 洋一郎、田原 慎太郎、多田羅 康章(背景)心臓と肺は胸腔内で隣り合っているため、一側臓器の拡大・肥大は対側臓器へ影響を及ぼすことが考えられる。一般的に心拡大患者では心機能が低下していることが多く、肺うっ血により肺酸素化能が低下していることがある。また、拡大心の慢性的な肺圧迫のため圧迫性無気肺が生じる場合があり、同様に呼吸機能の低下が懸念される。今回我々の施設で、定期手術の弁置換術及び弁形成術(大動脈弁手術、僧帽弁手術)を施行された患者を対象に、術前の経胸壁心エコー(TTE)で計測した左心径が術後ICUでの肺酸素化能に与える影響について検討した。(方法)2013年4/1~2015年3/31までの二年間で当センターにて施行された定期の開心術(単独大動脈弁手術、単独僧帽弁手術、大動脈弁+ 僧帽弁手術)70症例を対象とした。70症例を術前TTEにより左房径45mm以上もしくは左室拡張期径55mm以上を拡大群(n=35)とし、それ以外を非拡大群(n=35)とした。両群間でICU帰室時1時間後、3 時間後、6 時間後、12 時間後のP/F 比、人工呼吸器装着時間、ICU 滞在日数などをレトロスペクティブに比較検討した。統計処理は、student’s t-testとchi square testで行いp < 0.05で有意差ありとした。(結果)患者背景は両群間において有意差は認めなかった。ICU 帰室時1 時間後、3 時間後、6時間後では両群間のP/F比に有意差は認めなかったが、12時間後のP/F比は拡大群が非拡大群と比較して有意に低下した(290.9± 89.5vs352.4±99.8)。人工呼吸器装着時間、ICU 滞在日数に有意差は認めなかった。(考察)元々心拡大がある患者では、心機能と呼吸機能が低下している場合が多い。よって左心径拡大患者では、開心術後ICU帰室時6 時間以降から肺酸素化能が低下することがあるのでより厳重な注意が必要である。