ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-548-DP22-1 ME機器管理導入のためのOff - JT、On- JT を組み合わせた教育体系の効果と今後の課題1)市立函館病院救命救急センター、2)市立函館病院ICU、3)市立函館病院看護局看護科、4)市立函館病院麻酔科大山 隼人1)、十文字 英雄2)、渡邊 裕介3)、辻口 直紀4)【目的】当院HCU(現ECU)は、主に救急外来からの緊急入院患者の大多数を受け入れてきたが、補助循環や血液浄化装置、低体温療法適応患者などはICU で受け入れていた。2015 年2 月、病床編成に伴いHCU からECU へ病棟新設となり、それまでICU で受け入れていたCHDF、IABP、低体温療法適応患者をECUで受け入れることになった。そこで、卒後1~2年目、管理職を除いた看護師32名に対して、集中ケア認定看護師2名による勉強会の実施(Off-JT)とICUで1回のOn-JTを行い、臨床実践において効果があったのかアンケート調査をし、検討した。【方法】2015年2月から8月までAチーム(特定集中治療室管理相当の患者を担当するチーム)に所属している看護師13 名に対して、アンケート調査を実施した。倫理的配慮に関しては、個人が特定されないよう配慮した。【結果】全てのME 機器管理のOff-JT、On-JT ともに必要であると全員が答えた。臨床での効果に関しては、70%が今回の教育体系による学習で、フィジカルアセスメントの判断に役立った、アラーム対応が不安なく行えたなど、効果があったと答えたが、残りの30%は、Off、On-JTを実施してから臨床実践まで時間が経ち、学習内容が薄れてしまい、効果的ではなかったと答えた。【考察】Off、On-JTによる教育体系が望まれていること、またフィジカルアセスメント、アラーム対応など効果的な臨床判断に繋がることが示唆されたが、今回の教育体系では、指導者が2名しかいない、また他部署でのOn-JTのため、指導者、受講者の勤務調整が必要となるため、On-JT の回数が制限されてしまい、臨床実践まで期間が空いてしまった。今後は、ICU、ECU の両部署でのOn-JT も考慮する必要があり、指導者の育成とその質の担保が課題である。デジタルポスター 22 看護教育 2月13日(土) 11:00~12:00 デジタルポスターブース2DP22-2 ECMO 装着患者を受け持つ看護師に対する教育方法の検討-看護基準手順を作成して-済生会横浜市東部病院 救命救急センター病棟山中 恵美子、中村 智美、田中 理奈、諏訪 豊美、川野邉 麻美【背景・目的】A病院救命救急センター病棟(以下救命病棟とする)において、Extracorporeal Membrane Oxygenation:ECMO(以下ECMOとする)装着患者の受け持ち看護師の教育プログラムの確立を目的とし、2013年度に実施した研究結果(以下第一報とする)において、ECMO装着患者を受け持つ際の看護師の不安や戸惑いが明らかになった。そこで本研究の目的は、ECMO装着患者の看護基準手順を作成することで知識不足による受け持つ際の不安や戸惑いを軽減できるかを明らかにすることである。さらにECMO装着患者の受け持ち看護師の教育方法に示唆を得ることとする。【方法】対象は、救命病棟配属3 年目以上の看護師42名に対し、2013 年度同様の質問紙に看護基準手順を使用した上での質問項目を追加したものを使用する。回答を全て抜き出し、2013年度のデータと比較を行う。また、看護基準手順の作成により、不安や戸惑いがどのように変化したのかを分析する。本研究は、A病院倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】基準手順の作成において、「治療方法・機器の取り扱いに関する知識不足」は、分かるようになったが96%、いいえが3%であった。「看護ケア」は、分かるようになったが96%、いいえが3%であった。「それぞれの知識不足がカバーできるか」はできる83%、できない16%であった。「アラーム・機器に関する恐怖心」は、軽減できたが86%、軽減できないが13% であった。【考察】第一報を受けてのマニュアル作成に至ったことで、スタッフが特に不安に思っていた機器の取り扱いや看護ケアの内容をマニュアル内に盛り込めたことから、少なからず不安は軽減できたと考える。このマニュアルを活用したうえで、Partnership Nursing Systemにおいて実践を行う事で、経験不足による不安は解消できると考える。【結論】ECMO 装着患者の看護基準手順を作成したことで、ECMO装着患者を受け持つ看護師の不安や戸惑いが軽減できた。DP22-3 呼吸管理研修が実践に及ぼす影響について-受講後の追跡調査を通じて-東京女子医科大学病院 看護部茂木 奈津、荒木田 真子、小泉 雅子、江畑 典子【はじめに】A病院では, これまで人工呼吸器に特化しない呼吸ケア看護全般の質の向上に重点を置いた呼吸管理研修を開催し,6年が経過する.本研修は,基礎編である呼吸管理1 と応用編である呼吸管理2で構成され, 呼吸管理2 では臨床現場における呼吸ケア看護の向上に関するリーダーシップを発揮することをねらいとしている.【目的】呼吸管理2研修を受講した後,数年を経過した臨床現場における研修の効果・影響についてその実態を明らかにすることにより, 本研修のありかたに関する示唆を得ることである.【対象と方法】平成24,25 年度の呼吸管理2受講者82名に対し, 半構成的質問紙によるアンケート調査を実施した. 調査期間は平成26 年10月~平成27年3 月であった.【倫理的配慮】本調査への回答は自由意志とし,匿名性を確保した.また,所属施設の承認を得た.【結果・考察】2 年間における呼吸管理2 の受講者数106 名に対して, 調査時に在籍している看護師82 名(77%)に配布し,そのうち回答が得られた35 名(回収率46%)を分析の対象とした.経験年数は3~21 年(平均9.34 年)であった.研修で学んだ内容を看護実践で「生かせている」「まあまあ生かせている」と回答した者は89%であった.そのうち,『呼吸フィジカルアセスメント』は受講者の77% が「看護実践で生かせた」と回答した. これは,疾患に関係なくすべての患者に必要な看護技術であること, 呼吸状態のアセスメントと記録では動画を用いた演習を通じた訓練が影響していると推察された. また, 臨床における指導で「生かせた」項目は,『呼吸フィジカルアセスメント(57%)』『適切な看護記録(43%)』であり, 実践で生かせた内容とほぼ一致しており, 研修の学びが実践や指導へ発展していた.集合教育において,研修終了後の実践活用状況を把握することは,その妥当性の評価や充実化につながることが示唆された. 今後も,呼吸管理の重要性や最新の知識をふまえた呼吸管理研修を継続する必要がある.