ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-542-DP19-1 ICU離床プログラムを導入後の現状社会医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院又吉 愛美、新川 愛実、安村 公均、勝連 しのぶ、洲鎌 正子、久場 良也当院ICUでは、平成25 年度より早期リハビリ実施の開始基準と中止基準のマニュアルを設けた。これにより、平成25年度はリハビリ開始日、挿管日数、ICU在室日数は減少した。しかし、平成26 年度は挿管及びICU在室日数の改善がみられなかった。その理由として、APACHE スコアが25.0%→ 30.9%と患者の重症度が上がったことが考えられたが、更にリハビリに対する看護師の関わりやリハビリ内容を調査する為、看護師の意識調査を実施した。その結果、リハビリ実施は全員が必要と回答しているが、看護側が実施するリハビリ内容や開始時期、方法についての認識の差がみられた。今回、人工呼吸器管理中の患者において更なる離床促進を目的として、看護師間で統一したリハビリの実施ができるようにICU離床プログラムを作成、導入した。ICU離床プログラムを導入するにあたり、看護師に対し早期リハビリの有用性やセデーションバケーションの必要性について再度周知徹底した。新たに、ROM運動の必要性や注意点の説明を行い、理学療法士によるROM 運動の実践方法について勉強会を開催した。ICUプログラムには、これまでに早期リハビリの開始・中止基準マニュアルに加え、安静度に応じた離床促進ができるようにリハビリの内容を4段階のステップに分けた。また、個々の患者に合わせた離床促進が行えるように、可動域制限がある場合などの特記事項や理学療法士等によるリハビリ時間の連絡欄を設けた。更にプログラムに含まれるROM運動については、関節の動き一つ一つを写真で示し、初めての看護師でも容易に理解・実践ができるように工夫を行った。ICU離床プログラムを使用することで個々の患者に合わせたリハビリ内容や開始時期、方法について看護師間で統一した関わりができるようになった。ICU離床プログラムの導入前後で離床促進状況やICU 在室日数、挿管日数の変化について報告する。デジタルポスター 19 鎮静・鎮痛・せん妄・早期離床② 2月12日(金) 13:30~14:30 デジタルポスターブース9DP19-2 当院高度救命救急センター外傷患者における静脈血栓塞栓症発症の現状1)岡山大学病院 高度救命救急センター、2)岡山大学病院 看護研究・教育センター、3)京都第一赤十字病院 麻酔科相賀 美佳1)、湯本 哲也1)、川田 将弘1)、寄高 麻奈実1)、木口 隆1)、加藤 湖月1)、難波 志穂子2)、平山 敬浩3)、難波 由美子1)、佐藤 圭路1)【目的】当院高度救命救急センター(以下当センター)での2014年の先行研究において、当センター入室患者の静脈血栓塞栓症(以下VTE)の発症率は、18.7%であり、VTE 発症患者のうち56.7% が外傷患者であることが明らかとなった。今回我々は、外傷患者におけるVTE の現状について検討したので報告する。【方法】当センターに2013年4月1日~2014年3 月31日に入院し、連続7日以上在室している患者129例のうち欠損値のない外傷患者で外傷重症度スコア(以下ISS)ISS≧9の75例(58.1%)を後ろ向きに検討した。倫理的配慮は、岡山大学病院看護部倫理委員会の承認を得た。【結果】75例の年齢の中央値は60歳、女性28例(37%)、ISSの中央値は25、在室日数の中央値は21 日であった。VTEを認めた症例は27例(36%)で、このうち症候性の肺塞栓を認めた症例は無かった。また、造影CTでの診断日の中央値は10日で、VTEの有無でDダイマー値は7日目に初めて有意差を認めた(14.6vs 8.4, P=0.014)。また、VTEの有無で端座位開始日は11 日目 vs8 日目(P= 0.055)で、VTE有りの症例で端座位開始日が遅い傾向があった。【考察】リハビリが遅れる症例は重症例が多い傾向にあるが、中には早期にリハビリ介入が可能であった症例も含まれていた為、今後は安静度が拡大出来ると判断される症例については、VTEの有無や程度に応じてリハビリの拡大を図る必要があると考えられた。造影CTを施行すべきDダイマーの値は定めていないが、撮影のタイミングはDダイマーの有意差を認めた7日目と比較して3日ほど遅くなる傾向があった。これは外傷の重症度が高いことや段階的手術を要する症例が多いことによる影響が考えられた。【結語】当センターでの外傷患者のVTE 発症率は36%であり、VTE発症の現状が明らかになった。我々看護師は、外傷患者の重症度や個別性を考慮したリハビリの介入を検討していく必要があると考えられた。DP19-3 Functional Independence Measure(FIM)の認知項目における脳出血部位別のリハビリ(RT)前後の機能改善の比較潤和会記念病院 看護部井好 昭博、池田 沙穂、伊東 裕貴、山本 直美Functional Independence Measure(FIM)は,機能的自立度評価表であり運動項目13項目と認知項目5項目の計18項目から成る.先行研究でFIMを用いた脳出血患者のリハビリテーション(RT)前後における出血部位別の比較では,脳幹以外の部位でRT 前後に有意な改善があった.今回はFIMを用いて,RT前後で認知項目の改善を出血部位別(視床,小脳,脳幹,皮質下,被殻)と性別,左右の違いで比較した.【方法】救急搬送され入院した患者のうち,死亡症例を除いた脳出血患者167人(平均年齢67歳,男102人,女65 人)を対象とした.脳出血部位別に5 群(視床63 人,小脳7 人,脳幹8 人,皮質下23 人,被殻66 人)に分けた.入院時と退院時にFIMの認知項目(コミュニケーション:2 項目,社会認識:3 項目)をRT 前後で測定した. RT前後のFIM合計点の差を機能改善値とし,脳出血部位別で男女別と脳幹を除く左右部位別を比較した.統計はt 検定を用いた.【結果】RT 前後のFIM 合計平均点(前,後)は,認知項目では視床(20,27),小脳(13,25),脳幹(25,25),皮質下(19,22),被殻(15,25),コミュニケーションでは視床(8 ,11),小脳(5,11),脳幹(10,10),皮質下(8,22),被殻(7,10),社会認識では視床(11 ,16),小脳(7,14),脳幹(14,14),皮質下(10,13),被殻(8,14)だった.認知項目では視床,小脳,被殻,また,コミュニケーションでは視床,小脳,皮質下,被殻で有意差を認めた.社会認識では視床,小脳,被殻において有意差を認めた.男女別機能改善値は,認知項目と社会認識では視床,皮質下で女が有意に改善していた.左右部位別機能改善値の比較では認知項目およびコミュニケーションは被殻,社会認識では視床で左側に有意な改善を認めた. 【結論】脳幹は,全ての項目で有意な改善を認めなかった.認知面では,部位別や性別,左右の違いでRT の効果に差を認めた.