ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-539-DP17-4 肝不全に対するOn-line HDF 施行中にバンコマイシン持続投与を行った症例1)横浜市立大学附属病院 医学部 麻酔科学講座、2)横浜市立大学附属病院薬剤部、3)横浜市立大学附属病院麻酔科堺 結有1)、高木 俊介1)、金城 梢2)、山本 夏啓1)、西周 祐美1)、出井 真史1)、吉田 輔1)、山口 嘉一1)、山口 修1)、後藤 隆久3)血液透析血液浄化療法中はバンコマイシン(VCM)の血中濃度(Cs)変化を予測するのが困難である。今回我々は、on-line高流量Hemodiafiltration(OL-HDF)中にVCMを持続投与した症例について報告する。症例は遅発性肝不全に対するOL-HDF施行中、MSSA 菌血症に対して他の抗菌薬が無効であったためVCM 投与の方針となった。OL-HDF は1 日あたり12 時間施行した。VCM1gを単回投与し測定したCsをもとにクリアランス(CL)を算出した。投与2 時間後と3.5 時間後のCsは58.2 μg/ml、12.9μg/ml より、消失速度定数(K)は log(58.2/12.9)/1.5 = 1 であった。年齢・体重より算出した分布容積は28L であるため、OLHDF中のCL は 28x1=28 L/hr であった。VCM のAUC/MIC ≧ 400 を目標とした。MIC=1 であったため1 日に必要なVCM 投与量は400x28 = 11200mg であり、OL-HDF 中のVCM 総投与量(D)は5600mg が必要と算出された。また、持続投与中の予想平均血中濃度は Css=D/CLx t で16.7 μ g/ml と算出された。CCr7.6 であったため、OL-HDF 非施行時にはVCM のCs はほとんど低下しないと考えられたが、実際には非施行時にもCsは低下しており投与量の再考を要した。そこで、OL-HDF 開始前のCsを16.7μg/ml 以上に保つため、非透析時間の消失速度定数の算出を行った。持続投与終了2時間後、10時間後のCsより、log(31.3/24.4)/8= 0.031 と算出された。HDF開始前のCsを16.7 μ g/ml になるように、K=0.031を用いてVCM持続投与終了時Cs を計算すると24.2μg/mlとなった。血中濃度を実測しながら持続投与速度を調節した結果、OL-HDF終了時のCs 24.2μg/mlを保つために適切なVCM持続投与速度は240mg/hr(総投与量 2880mg)であった。その後はOL-HDF開始直前と終了直後の2点で血中濃度を測定し、充分なAUC に到達できたことを確認した。OL-HDF 施行中にVCM持続投与を行ったが、OL-HDF施行時と非施行時で消失速度が異なるため、投与量の調整が必要であった。DP17-5 持続的腎代替療法施行中にピペラシリン・タゾバクタムの薬物血中濃度を測定した8 例兵庫医科大学 集中治療医学小濱 華子、井手 岳、西 信一目的:持続的腎代替療法(CRRT)施行中患者にピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ)の投与量は2.25g ×3~4/ 日が推奨されているが、海外での報告ではさらに高用量の必要性も示唆されている。今回我々は本邦でのCRRT施行中患者におけるPIPC/TAZの薬物動態を検討した。方法:CRRT施行中にPIPC/TAZを8時間ごとに2.25gを投与した3 例、12時間ごとに4.5gを投与した1例、12時間ごとに2.25gを投与した4例の患者を対象とした。ダイアライザー前後の血液検体とろ過液を投与前、投与終了直後、投与終了後0.5、1、2、4時間、次回投与直前に採取した。PIPC およびTAZの血中濃度を測定し、薬物動態パラメータを求めた。結果:PIPCおよびTAZ の血中濃度の消失半減期(t1/2)、トラフ値(Cmin)はそれぞれ、2.25g× 3 回/ 日(n=3)(PIPC t1/2 8.9± 4.4 時間、Cmin 81.1 ± 7.8 μ g/ml ; TAZ t1/2 23.9 ±21.8 時間、Cmin 13.7± 2.4μ g/ml)、4.5g × 2 回/ 日(n=1)(PIPC t1/2 4.8時間、Cmin 72.7μ g/ml; TAZ t1/2 5.3 時間、Cmin 8.5μ g/ml)、2.25g × 2 回/ 日(n=4)(PIPC t1/2 7.4 ±1.5 時間、Cmin 39.8±19.5 μ g/ml; TAZ t1/2 9.6 ± 1.9 時間、Cmin 4.9 ± 2.5 μg/ml)であった。MICが8 μ g/ml の菌を想定した場合、time above MICはいずれも100% であった。またCRRT による薬物除去率はPIPC で18.0 ± 5.4%、TAZ では22.9 ± 4.5% であった。結語: CRRT 施行中にPIPC/TAZ を投与した際、本邦のCRRT の設定では海外と比べPIPC、TAZ とも薬物除去率が低いために血中濃度が蓄積しており、少なくとも増量は必要ないと考えられた。DP17-6 敗血症性ショック急性期の重度代謝性アシドーシスに対する間歇的血液透析;単施設後向き観察研究1)亀田総合病院 集中治療科、2)東京医科歯科大学 救急災害医学分野/ 救命救急センター野木 一孝1)、白石 淳2)、山本 良平1)、笹野 幹雄1)、麻生 将太郎1)、佐藤 仁信1)、藤内 まゆ子1)、松本 敬1)、軽米 寿之1)、林 淑朗1)【背景】血行動態不安定な患者に対する腎代替療法には持続的腎代替療法が普及しているが、敗血症性ショック急性期の重度代謝性アシドーシスに対して、当施設では間歇的血液透析(IHD)を多く施行している。【目的】敗血症性ショック急性期における重度代謝性アシドーシスに対するIHD施行状況の記述およびIHD 前後の生理学的・生化学的変数の比較【研究デザイン】ICU データベースおよび診療記録を利用した単施設後向き観察研究【対象患者】2014年4月~2015年6月に当ICUに入室した敗血症性ショック患者のうち急性期に重症代謝性アシドーシスに対してIHDを施行した患者【主要評価項目】IHD前後における血管収縮薬投与量、平均動脈圧【統計】IHD前後の評価項目変数の変化をWilcoxon signed-rank test で検定【結果】IHD後、平均血圧は有意に上昇し、血管収縮薬使用量は減少傾向にあった(Table1,2 参照)。【結論】敗血症性ショック急性期における重度代謝性アシドーシスに対するIHDは、今日の常識に反して血行動態を安定化させる可能性があり更なる研究に値する。