ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-510-DP3-1 新しい加温加湿器HAMILTON-H900の使用評価社会医療法人財団 大和会 東大和病院 臨床工学科錦織 大輔、梶原 吉春、中山 雄司、石高 拓也【目的】日本医療機能評価機構の報告からも呼吸回路や加温加湿器の事例が多いため、各メーカによる安全対策を取り入れた加温加湿器や呼吸回路が開発されている。HAMILTONメディカル社製H900systemとF&P社製 MR850systemを評価したので報告する。【方法】人工呼吸器(Evita4)の分時換気量6Lと設定した。H900の温度設定をチャンバ温度37℃、回路出口温度40℃としMR850はオートモードで作動させ、H900とMR850の吸気回路出口部の温度をMaphy+を用いて測定した(n=10)。測定環境温度はH900で26.4 ± 0.8℃、MR850は26.8 ± 0.8℃であった。 人工呼吸回路の表面温度を測定するためにGRAPHTEC社製温度モニタ(midi LOGGER TYPE GL450)を用いて、両回路の吸気・呼気側回路の表面温度をYピース側・中間・本体側の3 か所で測定した(n= 3)。両システムの設定温度までの到達時間を測定した(n=5)。【結果】H900の吸気回路出口温度は38.8±0.2℃、MR850は37.7±0.4℃であった。表面温度(℃)最高値の結果を示す(Yピース側:中間: 本体側)。H900 吸気回路(42.0:40.4:39.7)、H900 呼気回路(38.9:38.0:38.8)、MR850 吸気回路(34.4:39.8:35.2)、MR850 呼気回路(32.6:35.6:38.5)であった。設定温度到達時間はH900で990 ± 52 秒、MR850で2182 ± 353 秒であった。【考察】H900 は新しいコンセプトのPassOver 式加温加湿器であり、温湿度性能が高い加温加湿system であることが示唆された。人工呼吸器使用開始15 分程度で設定に到達することから早期から加温加湿ができると示唆される。H900 はヒータワイヤが回路表面に巻かれているためMR850systemより高値ではあるが以前報告したVentSterHelix回路の48.1℃よりは低いためヒータワイヤが回路表面タイプの回路としては改良されていると示唆される。【結語】H900systemはMR850 同様の加温加湿性能を有し、新しい安全機構を採用しているため安全性が向上した加温加湿システムであった。デジタルポスター 3 気道・呼吸・呼吸管理② 2月12日(金) 11:00~12:00 デジタルポスターブース3DP3-2 User Evaluation Report on the New High Flow Therapy "STEADYAIR SYSTEM"社会医療法人財団 大和会 東大和病院梶原 吉春、石高 拓也、片瀬 葉月、錦織 大輔、中島 義博、中山 雄司【目的】High Flow TherapyはNPPVと比べ装着の利便性や快適性から使用する施設が増加し装置の開発も進んでいる。アトムメディカル社が開発したHigh Flow Therapy Systemを評価したので報告する。【方法】スタッフ14 名にSteadyair System( 以下SA: アトムメディカル社製) とNasal High Flow System( 以下NHF:Fisher&Paykel 社製)を装着しアンケートを実施した。設定は流量40L/ 分、酸素濃度21%、口元温度40℃、チャンバ出口温度37℃とした。カニュラサイズは、SAはL、NHFはMを使用した。アンケート内容は、A作動音、Bバンド・カニュラの付け心地、C 加温加湿の感じ方、D 回路の軽さ感、F 体動に対するカニュラのズレ具合を5段階で評価した(5: 大変良い4:良い3:普通2: 悪い1:非常に悪い)。回路出口部とカニュラ出口部の温湿度をMOISCOPE(スカイネット社製)にて測定した。【結果】アンケート結果を(A:B:C:D:E)で示す。SA(2.4±1.3:4.3±0.8:4.1±0.6:3.9±0.8:4.2±0.9)、NHF(2.9±1.2:3.0±1.0:4.1±0.7:2.9±0.7:3.5±1.1)であった。温湿度結果を(回路出口温度[℃]:回路出口湿度[%]:カニュラ出口温度[℃]:カニュラ出口湿度[%])示す。SA(39.4± 0.2:84.7± 3.8:35 ± 0.2:88.2 ± 1.6)、NHF(39.7± 0.1:77.3± 1.3:36.1± 0.6:83.4± 1.8)であった。【考察】SAはバンド・カニュラの付け心地と体動に対するカニュラのズレ具合の評価が高いことからバンドとカニュラの構造に工夫が施されていると示唆された。加温加湿の感じ方では両装置とも評価が高く、温湿度測定結果からも十分な加温加湿性能を有していると示唆された。SA 回路は軽さ感で0.93 ポイントの点差があることからSA 回路の方が軽く感じていた。またSA では流量計出口の音が原因で作動音のポイントが低いため改良を望んでいる。【結語】Steadyair System はHigh Flow Therapy System として十分な性能であり、患者へのカニュラの装着感を考慮した装置であった。DP3-3 ネーザルハイフロー使用時のMR-850各モードでの加湿状況の検討医療法人社団 康心会 茅ヶ崎中央病院鎌田 隆行【背景・目的】高流量酸素療法であるネーザルハイフローシステム(以下NHFS)は近年多くの施設で導入されている。そのNHFS で使用される加温加湿器MR-850(以下MR- 850)の設定はF& P社が挿管モード・AT での使用を推奨しているため、その設定での使用をしている施設が多いと推測する。しかしF & P 社が推奨しているAT での使用には根拠がなく適正であろう予測での話とのことであり、その設定使用が実際に患者に適正であるかはわからない。そこでMR -850の設定を変化させたときのNHFS プロング先端の加温加湿状況を検証した。【方法】まずF & P社Optiflow 経鼻インターフェイス、ブレンダ、MR - 850 を使用し、ブレンダ流量を流量20L と40L の時、MR - 850 チャンバー加温設定をAT、0.0、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0 と変化させ、各5 分後のプロング先端の絶対湿度と相対湿度を挿管モードとマスクモードで計測した。【結果】MR -850 挿管モード・流量20Lの時、各設定の絶対湿度は41.3、41.3、41.8、42.8、43.7、44.7、45.6となり、相対湿度は各設定で100%であった。挿管モード・流量40L の時、各設定の絶対湿度は44.7、44.7、46.8、48.0、48.7、48.7、49.9 となり、相対湿度は各設定100%であった。マスクモード・流量20L の時、各設定の絶対湿度は22.7、28.0、30.8、32.4、34.0、34、7、35.5 となり、相対湿度は各設定100%には達しなかったマスクモード・流量40Lの時、各設定の絶対湿度は23.4、24.2、26.9、29.8、34.0、36.0、36、7となり、相対湿度は各設定100%に達しなかった【結語】NHFS使用時、MR-850 の設定は挿管モードを使用し温度変化のあるATより温度固定設定がよいと考えられた