ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-498-O53-1 陽・陰圧体外式人工呼吸器RTX とHRTX における体外式高頻度振動換気の比較・検討神戸大学 医学部 附属病院 臨床工学部門下田 優作、北 博志、横山 朋大【はじめに】近年、陽・陰圧体外式人工呼吸器RTX の後継機としてHRTX が販売されている。しかし、その性能比較や動態に関する報告はない。そこで、体外式高頻度振動換気中の圧力測定を2 機種で行い、比較・検討した。【方法】圧力の測定には測定器PF-300(以下PF)を用いる。圧力を掛ける空間としてアクリル製の容積が約3.4Lの箱(以下小箱)と容積が約22.8Lの箱(以下大箱)を準備し、小箱には開閉できる約120mm2の穴を開けた。そして、箱にPFと対象機器をそれぞれ接続し、以下の3条件で測定した。1)大小の箱で設定圧に対する圧を測定する。2)小箱の穴が開いた状態で設定圧に対する圧を測定する。3)小箱での駆動中に穴を開け、2)での測定圧に達するまでの時間を測定する。また、1)2)では波形安定後、10波形のアンプリチュード(以下Ap)の平均値を測定値とする。【結果】1)小箱では両機で設定圧に近い値となったが、大箱ではApの最高値がHRTX で約35cmH2O、RTXで約20cmH2Oであった。2)HRTXの方が設定値に近い値となり、RTXではApの最高値が約50cmH2Oであった。3)HRTXでは設定圧に関わらずほぼ一定の時間で安定し、RTXでは設定圧を高くする程、安定するまでにかかる時間が短くなった。【考察】1)より圧力を掛ける容積が増える程、大きなストロークボリュームが必要になり、設定圧が実現できなくなると考えられる。そのため、RTXに比べHRTXの方が駆動力が強いために、より大きなApが得られたと考えられる。2)3)よりリークに対する圧制御方法が両機器で異なっている様子が窺えた。そして、駆動力が強くなったことに加え、圧が安定する時間の短いHRTXの方がリークに対する性能が良いものと考えられる。口演 53 気道・呼吸・呼吸管理⑧ 2月14日(日) 11:00~12:00 第10会場O53-2 陽・陰圧体外式人工呼吸器RTXとHRTX における擬似咳の実験的比較・検討1)神戸大学医学部附属病院 臨床工学部門、2)神戸大学医学部附属病院 集中治療部北 博志1)、下田 優作1)、水上 一也1)、横山 朋大1)、三住 拓誉2)【はじめに】現在、陽陰圧体外式人工呼吸器RTXの後継機としてHRTXが日本でも使用可能であるが、その性能比較に関する報告は少ない。そこで今回我々は、それぞれクリアランスモード時の擬似咳(以下コフ)中における実圧力測定を行い、比較・検討した。【方法】対象2機種それぞれにアクリル製の容積が約3.4Lの箱(以下小箱)と約22.8Lの箱(以下大箱)および測定器PF-300(imt 社 以下PF)を接続し、クリアランスモードのコフ時におけるそれぞれ4 点の陽・陰設定圧(-10/5.-20/10.-30/15.-40/20)に対し、以下の3条件から実測値(cmH2O)を測定した。また、小箱には開閉できる約120mm2 の穴を開けた。各条件設定:1)大小の箱で設定コフ圧に対する実圧力を測定する。2)小箱の穴が開いた状態で設定コフ圧に対する実圧力を測定する。3)小箱でコフ中に穴閉鎖状態から急速に穴を開放し、2)の測定圧に達するまでの到達時間を測定する。なお、1)2)では波形が安定後10波形の平均値を測定値とする。【結果】1)より小箱でRTXは安定は得られないが設定圧に近い実測値を示し、HRTXでは陰圧がオーバーシュートし、各設定圧より高値を示し、大箱ではともに安定時には設定圧に近い数値を示したが陽圧時にRTX は設定圧より一度著明に高くなり、高いところから徐々に圧を下げていく傾向を認めた。また、小箱・大箱ともに各設定圧でRTXに比べHRTXは著明に設定圧まで速く到達した。2)HRTXは設定カフ圧に近似したが、RTXは設定陰圧-40においても実測値は約-30となった。3)HRTXでは設定圧に関わらずほぼ一定の時間で安定し、RTXは設定圧が高くなるほど設定圧到達時間が長くなった。【考察】コフ時ではHRTX はRTXと比べ、駆動圧が高く安定しやすいものと考えられ、設定コフ圧到達時間が早いことよりキュイラスからのエアリークに対応しやすいものと考えられた。O53-3 Nasal High Flowにおけるガス流量と回路内圧の関係弘前大学医学部附属病院 医療技術部 臨床工学・技術部門加藤 隆太郎、後藤 武、紺野 幸哉【目的】現在Nasal High Flow(NHF)は広く使用されているが、流量と回路内圧に関する報告は少ない。今回我々は、開口時と閉口時における回路内圧について実験を行った。【方法】使用したシステムはFisher&Paykel 社製Optiflow Nasal Cannula とF&P 社製RT202。回路内圧はCare Fusion 社製SiPAPの圧測定ポートに回路内側管を接続し測定した。ボランティア5 名を被験者とした。【結果】グラフとして示す。【考察】開口時には、開口部の漏れにより30 L/min 以上ではPEEP 様効果は半分以下となった。当院では40 L/min を初期設定として使用しているが、患者の酸素化など必要に応じて流量を増やすことで回路内圧の上昇が見込め、酸素化改善に寄与すると考えられる。しかしながら、被験者より「60 L/minは不快感が強い」との意見が多く上がったことから、実際使用するには患者への特段の配慮が必要であると考えられる。【結語】今回の実験では、閉口時は開口時に比べ回路内圧が2倍程度高く、流量と回路内圧は高い正の相関を得た。