ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-494-O51-1 外傷性出血性ショックへの大動脈遮断バルーンカテーテル(IABO catheter)によるPartial occlusion戦略済生会横浜市東部病院 救命救急センター折田 智彦、船曵 知弘、山崎 元靖、佐藤 智洋、明石 卓、小林 陽介、吉田 浩輔、中道 嘉、倉田 早織、北野 光秀【背景/ 目的】外傷領域でのIABO(intra-aortic balloon occlusion)は近年海外でもREBOA(Resuscitative Endovascular BalloonOcclusion)として脚光を浴びている。IABOによる一時止血から根本的止血処置完遂までの時間的要素や止血法・順序の介入戦略(OM(operative management)and/or TAE(Transcatheter Arterial Embolization)、MTP(Massive TransfusionProtocols)やtrauma call など)も多く検討されているが、IABO のREBOA としての戦略はほぼ未検討分野である。今回、遮断法の工夫として部分遮断(Partial occlusion)がREBOA戦略として有効かつ安全かを検討した。【対象/ 方法】24 時間OM and/or IVR、MTP 対応可能体制のもとで、初期輸液蘇生でNon-responder またはTransient-responderの外傷性出血性ショック症例の中でIABOにより循環改善得られたIABO /REBOA Responder 26例を対象。後方視研究。止血処置完了まで完全遮断を継続した群(Full occulusion: F群)と止血処置中もpermissive hypotension 管理で積極的に部分遮断管理した群(Partial occlusion: P 群)に分類。止血処置完了までの輸血や輸液必要量、出血量の増加の有無、30日生存率等を検討した。【結果/ 結論】F群15例vs. P 群11 例。総遮断時間(81.8分vs. 70.0分)に有意差なく、部分遮断時間はP 群で有意に長かった(11.3分vs. 39.0 分)が、出血量(4803ml vs. 4568ml)、輸血量(4743ml vs. 4910ml)等に有意差はなく、30 日生存率(50%vs.27%)や外傷死亡率(47%vs.18%)、臓器虚血性合併症発生率に有意差なし(0%vs. 9%)。permissive hypotension 管理での部分遮断戦略は出血量や輸血所要量、虚血性合併症率も増加させず救命率も低下せず、有効かつ安全な可能性がある。口演 51 外傷・熱傷② 2月14日(日) 11:00~12:00 第8会場O51-2 外傷性腹部大動脈解離による両下肢虚血に対し、腹部大動脈から腸骨動脈へのbare stent留置で救肢し得た1 例1)熊本赤十字病院 集中治療部、2)熊本赤十字病院 心臓血管外科、3)熊本赤十字病院 外傷外科渡辺 俊明1)、毛利 雅治2)、上木原 健太2)、宮本 智也2)、西田 翔3)、堀 耕太3)、林田 和之3)症例は61歳男性。クレーン作業中に誤って転落、立ててあった鉄板で上腹部を強打した。前医で腹腔内出血と両下肢虚血が見られたため当院搬送となった。造影CTでは膵損傷と膵十二指腸動脈からの活動性出血を認め、腹部大動脈上部では解離をきたしており真腔は虚脱閉塞しており両側腎動脈にも解離が及んでいた。血圧低下をきたしたため救急外来で挿管し緊急手術の方針となった。開腹し上腹部の出血部位を同定し止血術を行い、閉腹せずにパッキングした。続いて両側鼠径部を小切開し大腿動脈を露出、血管造影を行いながら真腔を確認してbare stent留置を行った。大動脈解離が及んでいない腎動脈上部から右総腸骨動脈・左外腸骨動脈まで長区間に渡り留置することで真腔血流が改善、末梢動脈の拍動が得られるようになった。翌日に腹腔内観察と閉腹を行った。誤嚥性肺炎・ARDSを併発したため気管切開を要したが、第15日病日には人工呼吸器を離脱し気管切開孔を閉鎖することができた。術後は無尿となりCHDF を要したが徐々に改善、透析から離脱することができ術後3か月目の外来受診時にはCr0.8mg/dl まで改善していた。重篤な術前状態であったが、迅速な対応と集学的治療により救命救肢でき障害を残すことなく社会復帰することができた。外傷性腹部大動脈解離では大動脈組織の挫滅により人工血管置換術は困難が予想され、血流再開までに長時間を要する可能性が高く、また膵損傷や膵炎による人工血管感染の危険性も高いと判断した。血管内治療を選択することで良好な転帰につながったと考えられた。O51-3 骨盤骨折に対するTAE後の再出血リスクの検討 ~集中治療医が考慮すべきこと~済生会横浜市東部病院 救急科佐藤 智洋、船曵 知弘、倉田 早織、中道 嘉、吉田 浩輔、明石 卓、小林 陽介、折田 智彦、山崎 元靖、北野 光秀【背景】骨盤骨折による後腹膜出血に対して経皮的動脈塞栓術(TAE)が、積極的に行われている。しかし重症多発外傷症例では、TAE が行われ一旦循環動態が安定しICU へ入室した後、再出血し循環動態の不安定化を来たす症例が散見される。静脈性出血を疑い輸血による対症療法を行うことが多いが、造影CT や血管造影により動脈性出血を認める場合もある。【目的・方法】骨盤骨折に対してTAE を行った症例に関して、再TAE の有無で2 群に分け、循環動態、AIS、ISS、血液データ等から再出血を起こすリスク因子を検討する。【対象】2008 年4 月から2015 年9 月までに骨盤骨折に対してTAE を施行した症例。再出血により再TAE を必要とした12 例と必要としなかった47 例の59 症例。【結果】再TAE 群でtransient-responder/non-responder が有意に多かった(p=0.029)。各AIS に有意差を認めなかった。再TAE 群でISS が高い傾向にあったが有意差を認めなかった。FDP、D- ダイマーに有意差を認めなかった。【考察】初期輸液に反応しない症例では、血管攣縮していることが多く、TAE を行い循環動態が一旦安定することにより攣縮が解除され、塞栓物質がwash outされることによる再出血や新たに出血が出現する可能性がある。頭部AISやISSに有意差を認めなかったが、重症例では凝固異常を来たし微細な出血でも持続することや塞栓物質による凝固が進みにくい可能性がある。【結語】骨盤骨折において初期輸液に反応しなかった症例では、TAE 後に貧血の進行や遷延性低血圧を認めた場合に動脈性再出血を考慮する必要がある。