ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-471-O39-4 外傷性心室中隔穿孔を伴う多発外傷後にEMSを実施した一例川崎医科大学附属病院 リハビリテーションセンター佐藤 宏樹【はじめに】鈍的外傷による外傷性心室中隔穿孔のリハビリテーションの報告は見当たらない.今回,心室中隔穿孔を含む多発外傷を受傷した72 歳男性患者に対して,理学療法を行い,Electrical Muscle Stimulation(以下,EMS)を併用した. 良好な機能改善が得られたので,その経過を報告する.【症例】 症例は72歳男性.職業は建設業.ドラム缶の爆発事故により顔面及び気道熱傷,左第5肋骨骨折,左第2中手骨開放骨折,左上腕部挫滅,右脛骨開放骨折を受傷.(RTS:5.23 ISS:43 Ps:0.17)救急搬送後の心エコー検査にて心室中隔穿孔を認め(心尖部,最大径21mm),翌日に緊急にて心室中隔パッチ閉鎖術及びIABPを挿入.第3病日にIABP 抜去, 第5 病日から循環動態の改善とともに理学療法開始.第11 病日に中手骨及び脛骨骨折に対して観血的整復術を施行.右下肢は8 週免荷となった.第14 病日に立位練習まで離床を進めるも,第18病日に心エコーにて心尖部に左‐ 右シャントの所見,心不全徴候出現し離床促進及びレジスタンストレーニングが一時禁止となった.同日から理学療法に加えEMSの併用開始した.EMS はベルト式電極を用い,大腿部及び下腿部のすべての筋を対象とし,週5-6回の頻度で実施した.心不全症状軽快により再度離床を進め,第28病日からPTB免荷装具使用し平行棒内での歩行練習,第94 病日より全荷重での歩行練習開始した.第121病日にADL自立・独歩可能の状態で自宅退院し,翌週から職場復帰した. 退院時の6分間歩行距離は360mであった.【結果・考察】 外傷性心室中隔穿孔後,心不全徴候出現時においても安全にEMS を実施できた.心室中隔穿孔による心不全症状や下肢の外傷により早期離床及び活動量の確保に難渋したが理学療法にEMS を併用することで身体機能の低下を最小限に抑えることが可能であったと考えられる.O39-5 心臓血管外科術後患者の在院日数延長要因の検討1)佐世保市立総合病院 リハビリテーション室、2)佐世保市立総合病院看護部ICU、3)佐世保市立総合病院 救急集中治療科古田 弘二1)、立石 奈己2)、松平 宗典3)、槇田 徹次3)【目的】当院において、心臓血管外科患者に術後クリニカルパス通りに、リハビリテーションが進まず、在院日数が延長するケースが時折見受けられた。在院日数が延長するケースにおいて、なにが要因になっているのかを検討した。【対象及び方法】2014 年6月から2015年7月までの期間に当院心臓血管外科で開胸術を施行され、リハビリテーションが開始となった107例を対象とした。対象者の疾患名及び術式、術後合併症、人工呼吸器離脱までの日数、ICU在室日数、歩行開始及び獲得までの日数、摂食状態を調査した。【結果及び考察】当院では、通常術後2~3 週間での退院となるが、在院日数が延長するケースとして、術後の心不全、不整脈、術後合併症等及び人工呼吸器離脱までの日数、食事を自己摂食できるか否か等の患者要因によるもが示唆された。術後の状態で歩行開始が遅延し歩行獲得までに日数を要し、また嚥下機能の低下も退院、転院に影響している事が示された。術後合併症を予防改善し歩行獲得、自己摂食につなげていくことが重要と思われる。在院日数が術後6週間をこえた延長ケースでは、歩行、嚥下機能ともに非常に低下している事が多く、いかに在院日数の超延長ケースを少なくしていくことが必要と思われる。【まとめ】開胸術後のリハビリテーションとして、術後の合併症を予防し早期歩行獲得、嚥下機能の低下したケースには早期より嚥下機能改善にむけ体制を整備していくことがICU 在室日数、在院日数に関与していくことができると考えます。O39-6 心臓血管外科手術による身体機能低下関連因子の検討福山循環器病院 リハビリテーション課大浦 啓輔、相方 由香理、井手迫 光弘、越智 裕介【はじめに】心臓血管外科手術後患者は術後早期よりリハビリテーションを行うが、不動や手術侵襲による異化亢進のため身体機能の低下を認めることがある。そこで本研究は心臓血管外科手術後患者の手術前後の身体機能低下関連因子を検討した。【方法】対象は当院にて2013年10 月~2015 年3 月の間に待機的に心臓血管外科手術をうけた患者120 例の内、手術前後にSPPB が計測できた51 例(年齢70 ±11 歳、男性29 例)。手術後SPPB が低下した症例を低下群(16例)、変化なし・改善した症例を維持群(35 例)の2群にわけ、患者背景、術前身体機能、手術情報、術後情報などを比較検討した。【結果】2群間の比較において患者背景では年齢、性別などに有意差は認めなかった。併存疾患にて脳血管疾患(低下群13% vs. 維持群0%, p <0.05)が有意に多かった。術前身体機能では握力(低下群22±8kg vs. 維持群28±9kg, p<0.05)、通常歩行速度(低下群0.94±0.24m/sec vs. 維持群1.13±0.30m/sec, p < 0.05)、膝伸展筋力(低下群35 ± 10%BW vs. 維持群41 ± 9%BW, p< 0.05)が低下群において有意に低値であった。手術情報では術式、手術時間や出血量は両群に有意差は認めなかった。術後情報では術後自立歩行獲得日数は低下群8± 5日、維持群4± 1日であり低下群が有意に離床遅延していた(p <0.05)。【結語】心臓血管外科手術後患者の手術前後の身体機能低下には術前からの身体機能低下や術後の離床遅延が関連する可能性が示唆された。