ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
465/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている465ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-463-O35-4 当院PICUにおけるグリーフカンファレンスの現状と今後の課題1)東京都立小児総合医療センター 看護部 看護科、2)東京都立小児総合医療センター 集中治療科塚原 怜子1)、小坂 奈穂1)、新津 健裕2)【目的】当PICUでは、平成25 年度からグリーフカンファレンス(以下、振り返りの会)を開催している。振り返りの会は、医療者間で思いを共有する事を目的とし、リエゾン精神科医師などがファシリテーターとなり、参加者が思いを語る会である。振り返りの会に対する看護師の思いを明らかにし、今後への示唆を得られたため報告する。【方法】対象はPICU看護師33名。先行文献を参考に質問紙を作成、依頼文とともに配布した。【結果】25名から回収し、回収率は75.8%であった。看護師経験年数は平均10.5年目。当PICU経験年数は平均3.2年目。これまでの看取り経験は、0回が8名、1~4回が5名、5~9回が1名、10回以上が11名。参加して感じた事についての5段階評価では、『学ぶ事がある』、『スタッフ間で思いの共有ができる』、『参加して良かった』が高値であった。経験年数や看取り経験が少ない看護師では、『自分の思いを話す事が出来る』においても高値であった。一方、評価が低値であったのは、『傷ついた』、『参加しなければよかった』、『つらかった』などであった。良かった場面に関する自由記載からは、『肯定的な返答がもらえた場面』、『参加者間で思いの共有ができた場面』など5つのカテゴリーが抽出された。また、辛かった場面については、『思いを話す事への精神的負担を感じた場面』などが抽出された。【考察】振り返りの会は、思いを共有する場だけでなく、学びの場となっており、特に看護師経験や看取り経験が少ない看護師は、自分の思いを表出する事もでき、グリーフケアの一助になっていた。しかし、話すことに精神的負担を感じる看護師もおり、個々のグリーフワークの方法に対する配慮の必要性が示唆された。【結語】振り返りの会に対する参加者の思いは、概ね肯定的なものが多かった。参加者が語りやすい雰囲気を高め、チームで支えあう体制として振り返りの会を継続していく必要があると考えられる。O35-5 救急・集中治療領域に携わる看護師の疲労の実態に関する全国調査札幌医科大学 保健医療学部 看護学科牧野 夏子【目的】全国の救急・集中治療領域に携わる看護師の疲労の実態を明らかにすることを目的とする。【方法】全国の救命救急センター266施設のうち同意の得られた50施設に勤務する看護師2,670 人を対象に郵送法で無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は、基本的属性、疲労度で構成した。疲労度は労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストおよび研究者らの先行研究を基に「患者の重症度・緊急度」「患者の転帰や死」「患者のコンビニ受診」「患者や家族とのコミュニケーション」「同職種の医療者とのコミュニケーション」「異職種の医療者とのコミュニケーション」「同職種の医療者の教育」の7項目とし、回答は「とても感じる」~「まったく感じていない」の5 件法で求めた。分析は、記述統計を行い全体概要に焦点を絞り検討した。【倫理的配慮】本研究は、研究者の所属機関において研究倫理審査会の承認を得た。対象者および対象施設に文書で研究の趣旨・目的、研究参加辞退・撤回の自由、データの秘匿性と守秘義務、質問紙の返送をもって同意を得ること、結果の公表方法等について説明した。【結果】778人から回答を得た(回収率29.1%)。対象は女性が85.9% と多く、看護師経験年数は11.5 ± 8.6 年、救急・集中治療領域の経験年数は6.0± 5.6年であった。対象全体の疲労蓄積度は4.6± 4.4 点(0~7点)であり仕事による負担度は「高い」と判定された。仕事に関する疲労の自覚症状は85.0%が感じており、そのうち、「患者の重症度・緊急度」は75.6%と最も高く、次いで「患者の転帰や死」「患者のコンビニ受診」は68.1% であった。【考察】救急・集中治療領域に携わる看護師の疲労は当該領域の患者特性を反映する内容であり、緊急重症患者に対応できるような知識・技術の教育と疲労を軽減できるような体制構築の必要性が示唆された。本研究は科学研究費補助金若手研究(B):課題番号24792441の助成により実施した一部である。O35-6 救急・集中治療領域に携わる医療職者の語りから捉えた共通する疲労の実態札幌医科大学 保健医療学部 看護学科牧野 夏子【目的】本研究の目的は、救急・集中治療領域に携わる医療職者の職務継続およびチーム医療の構築の基礎資料として、当該領域に勤務する多職種の医療職者の語りから共通する疲労の実態を明らかにすることである。【方法】救急・集中治療領域に携わる医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師計8名を対象に、基本的属性と職務上の疲労とその対処方法、多職種における連携等について半構成的面接を実施した。分析方法は逐語記録を作成し分析対象の文脈単位の抽出しコード化した。内容の類似性や共通性に沿ってサブカテゴリ化、カテゴリ化をおこなった。【倫理的配慮】本研究は、研究者の所属機関において研究倫理審査会の承認を得た。対象施設および対象者に文書で研究趣旨・目的、研究参加の自由意思、研究協力諾否の自由、匿名性と守秘義務の遵守、データの保管・廃棄方法、結果の公表方法等を説明し同意書に署名を得た。【結果】対象者は当該領域の経験年数が5年以上であり、救急・集中治療領域に専任または兼任で従事していた。対象者の語りから、救急・集中治療領域に携わる医療職者に共通する疲労は【緊急・重症患者の治療・処置への対応】【患者の背景や転帰への折り合い】【重症患者に関わる他職種との調整に関する困難や弊害】【専門職として救急医療の責務を担うプレッシャー】【勤務に伴う時間の感覚の狂い】の5つが抽出された。【考察】救急・集中治療領域に携わる医療職者に共通する疲労は、患者対応や多職種との調整、専門職者の責務や労働環境であることが明らかになった。このことから、労働環境の調整や各専門職の状況の把握、メンタルサポートが必要であることが示唆された。今後は当該領域の医療職者の疲労の相違点を明らかにするとともに、研究結果を基盤とした量的研究を進めることが課題である。本研究は科学研究費補助金若手研究(B):課題番号24792441の助成により実施した一部である。