ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-445-O26-4 心臓血管手術後患者におけるネーザルハイフローの使用効果1)広島大学病院 外科系集中治療室、2)広島大学病院 麻酔科西本 亜紀子1)、八木 恵子1)、御手洗 武博1)、山崎 大輔1)、林 裕子1)、加藤 貴大2)、原木 俊明2)、讃岐 美智義2)、河本 昌志2)【はじめに】ネーザルハイフロー(NHF)は高流量の酸素を経鼻的に投与することで、自発呼吸下の酸素化能を改善する。従来の酸素療法より上位の呼吸管理法として位置づけられているが、術後患者に使用した報告は少ない。今回、心臓血管外科手術後患者にNHFを使用した効果について報告する。【方法】調査対象は、心臓血管手術後に外科系集中治療室に入室した4 名で、抜管後に酸素マスクを装着し、その後NHFに切り替えた。NHFの使用感として、圧迫感・鼻腔の疼痛・鼻腔の乾燥・臭い・騒音と呼吸困難感・閉塞感を聞き取り調査した。その他、NHF装着による患者の印象、飲水・食事・リハビリテーション(リハビリ)の良否、動脈血ガス分圧を調査した。【結果】対象の性別は全て男性、年齢48~80 歳、身長160~170cm、体重46.0~77.6kgであった。術式は、冠動脈バイパス術・弓部置換術が各々1名、僧房弁置換術が2名であった。NHFの使用感について、鼻腔の疼痛・乾燥・臭いの訴えはなかったが、圧迫感の訴えは1名で、騒音の訴えは2名であった。騒音はNHFの流量を増加させた時点での訴えであった。呼吸困難感・閉塞感の訴えはなかった。NHF装着による印象は、酸素マスクと比較してNHFの方が排痰しやすいという意見が2名であった。4名とも飲水可能であり、1 名は食事も摂取できていた。また、4 名ともリハビリ中の酸素化の悪化はなく、NHF 導入前後で酸素化に変化はなかった。【結論】今回の調査により、NHF は酸素マスクよりも装着時の違和感が少ないと考えられた。また、過去の報告と同様に経口摂取や排痰がしやすく、リハビリでも呼吸状態の悪化はなかった。術後は、麻酔や手術侵襲の影響により無気肺等の呼吸器合併症が起こりやすい。NHFは排痰がしやすくリハビリでの酸素化の悪化を来しにくいので術後患者にも有用と考えられ、今後は積極的な導入を検討したい。O26-5 当院ICUで抜管後の小児に対するHFT の使用経験地方独立行政法人 那覇市立病院新屋 真弓、平敷 好史、諸見里 勝、里井 陽介、普天間 誠、清水 孝宏、伊波 寛、宮田 裕史【はじめに】ハイフローセラピー(High Flow Therapy :HFT)は、呼吸補助の手段として人工呼吸器やNPPVの導入前に使用される事があり、小児領域でも拡大してきている。当院ICU でも2014 年から抜管後の小児へHFT 導入が増加している。しかし、導入後の呼吸管理に関する詳細なデータが少ない。今回、RS ウイルス感染症と診断された児を対象に、抜管後のHFT導入を後ろ向きに調査し、呼吸管理の状況について報告する。【対象】2014年7 月~2015年5 月31日まで当院ICUに入室し、基礎疾患がなくRSウイルス感染症と診断され、人工呼吸管理を行った小児患者。【方法】電子カルテから抜管前後の血液ガス検査、SpO2、呼吸数、脈拍数を定時的に比較。バイタルサイン以外に努力呼吸の有無を調査。人工呼吸管理中の鎮静鎮痛の使用と挿管時間、HFT の設定と使用時間を調査。【結果】対象患者は3ヶ月から1歳5ヶ月の4症例。抜管後5分後・10分後・15分後・30分後・45分後・60分後・3時間後の脈拍数は4症例とも増加、呼吸数は4症例とも減少し、努力呼吸の出現はなかった。HFTの設定は、FIO2:0.3~0.6、フロー:6~17.5L/分/kgで行い、抜管後HFT使用中の血液ガス検査で酸素化改善が3症例、変化なしが1症例であった。挿管時間83.1±48.2 時間、抜管後HFT使用時間は19.8±8.9 時間となった。4 症例とも気管挿管中の鎮痛鎮静管理はフェンタニル・ミダゾラム・プレセデックスを使用。【考察】当院では、抜管前後のP/F比、呼吸数、脈拍数を比較し、呼吸状態の悪化は認められなかった。脈拍数の変動はあるが、呼吸数は減少し努力呼吸はみられなかった。HFT は小児の抜管後の呼吸管理の一助となる事が示唆された。O26-6 ネーザルハイフロー(Nasal High-Flow;以下NHFと略す)装着患者の苦痛に関する調査国立循環器病研究センター HCU藤巻 弘史、小谷 真依、大西 純子国立循環器病研究センター HCU 小谷真依 藤巻弘史 大西純子<タイトル>ネーザルハイフロー(Nasal High-Flow; 以下NHFと略す )装着患者の苦痛に関する調査【背景・目的】当センターHCUでは平成24 年度からNHFを導入し、患者のQOLを維持でき、ケアの行いやすさを実感している。しかし実際に使用している患者はNHFの回路が重いなどの訴えがある。このため、NHFの使用経験がある患者の苦痛の内容を明らかにしたいと考えた。【倫理的配慮】所属の看護倫理委員会の承認を受け実施した。【対象】2014年10月から12 月。HCU入室したNHF初回装着患者10名。【方法】主治医より許可が得られ、研究の同意を得た患者に対して、独自で作成したインタビューガイドを用い、個室で約30分間面接した。分析は、Berelson.Bの内容分析の手法で行った。【結果】「鼻から入ってくる酸素の勢いが強く痛い」「酸素の勢いが強く鼻水が出る」「NHFのジャバラが重くて動きにくい」「食事・飲水時はカヌラが邪魔で外す」等に統合された。【考察】今回の結果からNHF使用患者は鼻腔粘膜への刺激や耳介と頚部で固定する回路の重みなど疼痛と不快を強く感じていた。NHFは鎮痛や鎮静を必要としないため、身体的苦痛が中心となっていたと考える。また動きにくさによる拘束感や疼痛があっても治療のためカニューレを外せない葛藤などが精神的苦痛となる可能性がある。特に長期使用患者へは精神的苦痛が生じていないか定期的な観察を行う必要があると考える。【まとめ】身体的苦痛は循環動態に影響を与えるため、今後は疼痛スケールを用いた評価の導入など疼痛管理や苦痛軽減への配慮を検討する必要性が示唆された。今回の調査では長期使用患者が少なく社会的苦痛や霊的苦痛は表出されなかった。NHFの有用性は高く、今後も使用患者は増加することが予測され、快適性の高い機器であっても全人的苦痛の存在を認識してケアを行う必要がある。