ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-429-O18-4 敗血症性心機能障害に対する亜硝酸塩の保護作用1)札幌医科大学 医学部 麻酔科学講座、2)東海大学 医学部 外科学系救命救急医学川口 亮一1)、平田 直之1)、井上 茂亮2)、渡邊 伸央2)、吉川 裕介1)、茶木 友浩1)、宮下 龍1)、山蔭 道明1)【背景】敗血症性心機能障害は予後不良の病態である.その機序としてミトコンドリア機能障害が重要とされているが,有効な治療法は存在しない.一方で近年,亜硝酸塩が虚血再灌流障害の病態においてミトコンドリアを保護し,臓器保護作用を示すことが報告されている.今回われわれはこれらの機序に着目し,盲腸結紮穿孔(CLP)モデルを用いて敗血症心筋に対する亜硝酸塩の作用を検討した.【目的】敗血症性心機能障害に対する亜硝酸塩の有効性を検討する.【方法と結果】雄性Wister ラットを用いて重症CLPモデルを作製し,無処置健常群,生理食塩水単独投与群(NS 群),生理食塩水+亜硝酸塩1mg/kg投与群(Nit群)を設定した.8時間後に単離心による心機能測定を行った結果,NS群と比較してNit群で有意な心収縮能(Left ventricular developed pressure)の改善が認められた(75± 16 vs 96 ± 12 mmHg, p < 0.05).また,8時間後に心筋ミトコンドリアを単離し,酸素消費能(RCR: Respiratory control ratio)を測定した.RCR はNS 群で有意に低下したが,Nit 群では有意な改善を認めた(73% vs 101% %対照群, p < 0.01).血行動態,血中炎症性サイトカイン,血中NOx 濃度は両群で有意差を認めなかった.生存率はNit群で有意な改善を認めた.ニトロ化ストレスの指標である3-Nitrotyrosine は両群の心筋で有意差を認めなかった.NS群と比較してNit群における心筋NF-κB核移行は有意に抑制され,Aktリン酸化は有意な増強を認めた.【結語】ラットCLPモデルに対する亜硝酸塩1mg/kg投与は分子レベルから臓器,個体レベルで有害作用を認めず,心筋ミトコンドリア機能を保護し,心収縮能を改善させた.その分子学的機序として,敗血症心筋におけるストレス応答への関与が示唆された.O18-5 敗血症ラットモデル坐骨神経毛細血管におけるglycocalyx層の脱落1)聖マリアンナ医科大学 麻酔学教室、2)金沢文庫病院日野 博文1)、三浦 亜里彩2)、新見 佐知1)、舘田 武志1)【目的】敗血症におけるcritical illness polyneuropathy(CIP)の原因はいまだ不明であり、有効な治療方法も明確化されていない。現在までの我々の研究結果より、敗血症におけるCIP の急性期、慢性期における発生機序には、それぞれ、Na チャネロパチーによる活動電位閾値の上昇、神経虚血‐ 変性が深く関与している可能性が示唆される。近年、血管内皮細胞上にはglycocalyx(GCX)と呼ばれる構造物が存在し、血管透過性、血管保護物質の格納、抗凝固や白血球接着等に関与することが判明してきた。今回、我々はLPS48 時間投与CIPラットモデルの坐骨神経毛細血管のGCX 層の変化を電顕で観察した。【方法】Wistar系雄性ラット12 匹を対照群(C群)、LPS群(L群:LPS 3mg/kg/日持続投与)に分類した。48時間後に麻酔下にて開腹し、総腸骨動脈より灌流固定を行い両側坐骨神経を摘出した。ランタン染色を行って得られた電顕像上のGCX層厚を画像解析ソフトを用いて計測した。【結果】血管外周距離において両群間に有意差はなかった。L群では血小板数が極度に低下していた(p=0.002)。GCX 層厚はL 群が有意に低下しており、毛細血管内皮細胞からの脱落が示唆された(C vs.L;0.21 ± 0.04, 0.10 ± 0.02 μ m, p < 0.001)。【結論】敗血症ではGCX脱落を認めることが判明しており、CIPモデルの坐骨神経毛細血管でも同様な脱落を認めた。GCX脱落はCIP の血管バリア機能消失により、CIPが長期化した場合の神経虚血- 軸索変性に関与する可能性もある。O18-6 耳介迷走神経電気刺激による抗炎症治療法の可能性1)東京医科歯科大学 医学部附属病院 救命救急センター、2)東京電機大学 工学部森下 幸治1)、八木 雅幸1)、伊藤 裕一2)、植野 彰規2)、大友 康裕1)【背景】頸部迷走神経の電気的刺激は難治性てんかんの治療法として以前より認知されているが、近年、新たな作用としてコリン性の抗炎症作用が注目されている。現在、遠心性迷走神経への5V、5Hz の電気的刺激は、マクロファージや樹状細胞におけるアセチルコリン受容体の発現とサイトカインの産生などの制御などに関与し抗炎症作用を示すと考えられているが、近年、耳介の迷走神経への電気的刺激にても非侵襲的に同様の効果が期待できると考えられている。【目的・方法】ラットの耳介の迷走神経に5V、5Hzの電気的刺激を与えその活動電位を頸部、腹腔内の迷走神経等にて計測することにより電気的に伝導しているかを確認する。【結果】ラットの耳介への電気刺激は直接頸部迷走神経へ電気的刺激した時と同様の変化が観察できた。【結語】耳介における迷走神経の刺激は頸部迷走神経の電気的刺激と比べ侵襲も少なく、集中治療領域においても抗炎症作用の観点から新たな治療戦略の一つとなる可能性あると思われた。今回、炎症制御における電気的迷走神経刺激の効果に関して最近の知見も含め報告する。