ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-357-LS2-1 SPEED2:カテーテル関連血流感染対策再考広島大学大学院医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門 救急医学志馬 伸朗 血管留置カテーテルに関連した血流感染症(catheter-related bloodstream infection: CRBSI)は、主として病院内、とりわけICUにおける重要な感染性合併症の一つである。 医療関連感染症の発生はいずれも回避すべきものではあるが、CRBSIの特別な問題は、急性期の重症敗血症/敗血症性ショックの合併に加え、二次的に心内膜炎、椎体炎、深部膿瘍などの遠隔臓器転移性感染症を併発し、治療難渋性かつ致死的な病態に進展しうることである。したがって、CRBSI は限りなくゼロに近づけるという強い心構えが、集中治療に関わる全ての医療従事者に必要である。 2015 年の学術集会における講演では、CRBSI対策を以下の5 項目(SPEED)にまとめて報告した。1.Skin disinfectant皮膚消毒2.Preparation & Insertion technique 準備と挿入手技3.Early removal 早期抜去4.Empiric antibiotics 経験的抗菌薬5.Dressings 刺入部管理 今年度の講演では、前回言及し得なかった項目を含め、最新の知見が輩出されている項目を中心に追加し、よりよいカテーテル関連血流感染対策について考えてみたい。 特に以下の点に関して言及する1.クロルヘキシジンを(もっと)活用する2.エコーガイドは真に有用か3.菌血症への対応:MRSA, カンジダ4.動脈ラインを軽んじない:プレコーションと早期抜去5.抗菌薬含侵中心静脈カテーテルの効果ランチョンセミナー 2 2月12日(金) 12:20~13:20 第3会場血管内カテーテル由来血流感染対策LS2-2 「3M?テガダーム?CHGドレッシング」を使用している現場の声独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 救命救急センター清水 克彦 血管内留置カテーテル由来感染の予防のためのC D C ガイドライン2011 によれば、“ カテーテル部位を覆うために、滅菌ガーゼか滅菌透明ドレッシングのいずれかを使用する”(カテゴリーⅠA)とあり、これまで当院でも何社かの透明ドレッシング材を使用してきた。また同ガイドラインで“中心静脈カテーテルおよび末梢動脈カテーテル挿入前とドレッシング交換時に0.5%を超えるクロルヘキシジンアルコール製剤液で皮膚を前処置する”(カテゴリーIA)とあり、こちらも当院救命救急センターでは1 年前よりすべての処置でクロルヘキシジンが使用され、これまで使用していたポピドンヨードが処置台より消えた。 救命救急センターでは患者の全身状態が悪化し感染のリスクが高い状況下でカテーテルを挿入されることが多い。そのため当救命救急センターではカテーテルからの感染リスクを少しでも低下させることを目的に、上記ガイドラインに習い上記の二つの要素を併せ持つクロルヘキシジン含有ドレッシング「3M?テガダーム?CHGドレッシング」を、一年前から導入し、現在CVC、UKカテーテル挿入時にはルーチンで使用されている。 一年間使用した上で個人の主観では「薬剤付きドレッシング材による感染に対する安心感を得られる」と共に「剥がれにくい」「出血が少ない」等の感染とは違う操作性の利点、「薬剤付きドレッシング材の色素の影響から感染徴候を見落とす懸念」「コスト面の増加」などの課題が浮かんだ。しかしこれはあくまでの個人的意見であり、使用している他の看護師の評価は得られていなかった。 そのためこの機会を利用し、普段臨床でカテーテル管理をする当院の看護師が持つ「3M?テガダーム?CHG ドレッシング」の評価をアンケートした。項目は「管理面」「感染面」「コスト面」を主にこれまで使用したドレッシング材との比較検討する視点から得られた結果を報告する。 ただしアンケート結果はあくまでも当院看護師が持つ個人の主観的評価であり、CRBSIなどの客観的評価ではない。今回の評価を元に、それぞれの施設でクロルヘキシジン含有ドレッシングの導入を検討する時の一つの材料として参考にして頂ければ幸いです。