ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-304-WS61)東京北医療センター 総合診療科、2)東京大学大学院医学系研究科 救急医学、3)都立広尾病院 救命救急センター、4)東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学、5)横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部、6)自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部南郷 栄秀1)、福田 龍将2)、中島 幹男3)、笹渕 裕介4)、武居 哲洋5)、讃井 將満6) 臨床医やコメディカルの皆さんが、目の前の患者さんに「ある治療や看護やリハビリを行うべきか」などのいわゆる臨床的疑問(CQ)を持ったとします。自分の中で明確な答えがない場合、既存の文献にヒントを求めますよね。その際、どのような資料に当たるでしょうか。 忙しい私たちは、まずUpToDate に当たったり、PubMed や医中誌で検索されるレビュー(review)を参考にする場合が多いでしょう。これらの文献レビューはナラティブレビュー(NR)(narrative:物語風の)と呼ばれ、いわゆる二次資料の範疇に含まれます。NR は、一次資料であるRCT(無作為化対照試験)や観察研究などの研究結果をまとめて一定の見解を示したものです。しかし、どの論文を選択するか、複数ある研究結果をどのように重み付けしてまとめるかは筆者に任され、筆者の主観や好みを取り除くことができません。 一方、同じレビューと言えども、系統的な“決まった”方法で一次資料を集め、評価し、各研究を重み付けして結果を束ねて示し、あるCQ に対して一定の見解を示す作業がシステマティックレビュー(SR)(systematic:系統的な)と呼ばれるプロセスです。また、その中で、各研究を重み付けして結果を束ねる統計手法がメタ解析です。NR と異なりSR では、各種のバイアスをできるだけ排除した形でCQ に対する中立的な回答を得ることができ、CQ の解決ばかりでなく、診療ガイドライン作成、新たな研究の発案において威力を発揮します。 本ワークショップは、「SR やメタ解析の結果の見方は概ね知っているが、実際にどのような作業をしているか知りません」、したがって「論文として読んだSR が研究としての質が保証され、結果が信頼できるかわかりません(=批判的吟味ができません)」と仰る医師やコメディカルを主な聴衆と想定し、企画されました。このような主旨のもと、まず日本の第一人者である南郷 栄秀先生をお招きし「総論:システマティックレビューの概念、批判的吟味」と題したご講演いただきます。 その後、二つの身近なCQを題材としてさらに理解を深めていただきます。「実例で学ぼう1:腹臥位療法」は東京大学大学院医学系研究科 救急医学の福田 龍将 先生に、「実例で学ぼう2:EGDT」は都立広尾病院救命救急センターの中島 幹男 先生にお願いしました。ここまでくるとおそらく多くの方が「もしかして自分にもSRができるのではないか」と思うはずです。最後に「これでは基本的過ぎて自分には…」と仰る方を対象に、ネットワークメタ解析、メタ回帰分析などの新しい概念に関して東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻臨床疫学・経済学の笹渕 裕介 先生に解説していただきます。座長の横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部の武居 哲洋 先生と私からは、皆様の声を代表し“いまさら聞けない素朴な疑問”をぶつけてみたいと思います。たった90 分ですが、“腑に落ちる” を実感していただけるでしょう。ワークショップ 6 2月14日(日) 8:30~10:00 第11会場はじめてのメタ解析,システマティックレビュー