ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-302-WS4-3 ICUから始める社会復帰への移行とtransition of careDivision of Pulmonary & Critical Care Medicine University of Nevada School of Medicine, Las Vegas, Nevada, USAHidenobu Shigemitsu集中治療は重症患者のケアーに携わり、医療システムの中で最も高い位置 にある医療を提供する場と認識されている。ICUで診断と治療が進み、多 くの患者がいずれは退院し、地域の介護施設および住宅介護などを通して 社会に送り出される形が多く見られる。Transition of care, いわゆる医療のケアーの移行医療の質や医療安全、患者とその家族の医療システムに対する満足度、および医療費削減に密接に関わっている事から国際的にはtelemedicine、nurse practitioner、ソーシャルワーカー、などを使った移行モデルなどが報告されている。これから日本の集中治療が確立されていく中で、どのように患者がICU から社会に順調に復帰できるプロセスを考えていく重要性が求められている。WS4-4 当院における早期リハビリテーションの現状とICU退室後の長期的予後改善への取り組み1)国立病院機構 名古屋医療センター リハビリテーション科、2)国立病院機構 名古屋医療センター 集中治療科、3)金沢大学大学院医薬保健研究域保健学系渡辺 伸一1,2)、櫻木 聡1)、金谷 貴洋1)、大野 美香2)、森田 恭成2)、鈴木 秀一2)、染矢 富士子3)人口の高齢化に伴い, 高齢患者の手術,麻酔症例は増加している. 一般に高齢者の緊急開腹手術周術期に呼吸不全を合併すると重篤な状態になることが多く, 人工呼吸器管理が必要となる. しかし, 人工呼吸器管理に伴うベッド上安静により長期間不動状態になると全身的な筋力低下(ICU-acquired weakness,ICUAW)を起こし1年後においても筋力の低下や倦怠感が残存していると報告されている. 最近では,ICU入室中からICU 退室後において持続する機能障害をpost-intensive care syndrome(PICS)と呼ぶ概念が提唱されている.そのため, PICS を予防するためにもICU 在室中からの早期離床が重要と考えられる.しかしPICS の発生については基礎疾患による侵襲みならず,医療行為・ICU環境・患者の精神的要因による侵襲の関連も示唆されており, ICU における侵襲の長期予後への影響を認識し,在宅を見据えた上での多職種協働での介入が重要と思われる.