ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-299-WS3-3 統計解析は研究計画の段階で立てよう大阪大学大学院医学系研究科臨床統計疫学新谷 歩臨床研究、基礎研究を問わず、大切な研究結果をいざ世に送りだそうという時、統計解析で大変苦労した、査読者から解析が間違っていると指摘を受けて途方に暮れたという経験を持つ方は多いのではないでしょうか。 近年多くの国際ジャーナルでは統計専門家による査読が行われ、統計を如何に適切に行うかが研究の質を決めると言っても過言ではありません。統計専門家による査読時に一番問われるのは、統計解析手法が研究前に決められていたか(A Priori)という点です。 とりあえずデータをとって、解析は後付け(Post-Hoc)というような解析では、得られた結果に再現性が取れないということが知られています。本講演では、統計解析計画を事前に決めておく重要性についてお話します。WS3-4 臨床研究を行う際のデータベースの作成法岡山大学病院 集中治療部鈴木 聡データベースは、研究デザインや統計解析計画に基づいて収集したデータを管理するために重要な役割を担っている。具体的な役割としては、データの入力、保存、更新、監視を行うと同時に、統計解析用にデータ書式を整えることである。データの入力に際しては、入力が容易なフォームの作成、データ入力後の定期的なデータ保存、セキュリティやデータの質の維持が重要となる。また、データ入力が完了すればすぐに統計解析が可能となるわけではなく、データのクリーニングが必要となる。この作業は、統計解析を行う上で、非常に重要なステップであり、かなりの手間をかけて行う必要がある。その後、ようやく統計解析に必要な書式でデータの抽出可能となる。臨床研究を行う際のデータベース作成に際して重要な点を以下に列挙する。1. データテーブルの作成・横列(行)に対象者個人の記録、縦列が属性を表す・新たなID の割り付け(連結可能匿名化)・データ辞書の作成2. データ入力・以前は紙ベースの症例報告書(Case report form)を用いたデータ収集が一般的・現在は電子化された書式に入力することが多い・検査データなどのインポート・セキュリティ対策3. データの解析へ向けて・データのクリーニング・その他のデータベースとの統合(merge)・統計解析をしやすいデータ型に変換・データの保存、バックアップ・統計解析用のデータ抽出本発表ではこれらのポイントを中心に、発表者が実際に行った臨床研究(Crit Care Med. 2014)の実例を提示しながら、臨床研究用データベースの作成方法について概説する。