ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-294-WS1-1 患者重症度評価のためのデータ収集方法産業医科大学病院 医療情報部林田 賢史集中治療領域における機能評価等を進めるにあたり、患者の重症度をどのように評価するかは重要な課題である。そこで本発表では、患者重症度の評価のためのデータ収集方法のあり方(収集する項目や収集する手段等)について考えてみたい。具体的には、【1】患者重症度評価の目的(そもそも重症度評価は何のために実施するのか)、【2】目的を達成するために必要なデータ収集の基本的な考え方・方針(その目的を達成するために、どのような方針でデータを収集すべきか)について、まず整理を試みたい。また、日本においては、患者の診療に関する大量のデータとしてDPC データが存在しており、DPCデータとのリンケージは種々の分析を充実させるために有用である。そこで、【3】DPCデータとのリンケージにおける留意点(DPCデータとのリンケージをスムーズに行うためにどのような点に留意すべきか)について情報提供したい。集中治療領域における患者の重症度評価は重要な課題である。本発表を通じて、データ収集方法に関する考え方やあり方を共有しながら、「患者重症度評価に何が必要か」について一緒に考えることが出来れば幸いである。ワークショップ 1 2月12日(金) 15:10~16:10 第1会場患者重症度評価に何が必要かWS1-2 “患者重症度評価に何が必要か” と“ なぜ患者重症度評価が必要か”愛媛大学医学部付属病院集中治療部土手 健太郎、池宗 啓蔵、出崎 陽子一般のICU においては、 “ 患者重症度評価に何が必要か” の前に “ なぜ、患者重症度評価が必要か” から考えなくてはならない。そもそも、患者重症度評価としてよく用いられるacute physiology and chronic health evaluation 2(APACHE 2)スコアとは、集中治療室入室患者における病態の重症度を客観的に評価するために作られた予後予測法である。これを創ったKnausは、自身の瀕死のSepsis 患者の治療の経験から、“ 当時(1978年)は、重症患者の予後を評価する方法が無かったので、自身の行った臨床決断が正しかったかを立証することができなかった。これを克服するためにAPACHE を作った” としている。最初は、それぞれの患者の予後を評価する方法として作られたものである。それが、現在では施設間での治療成績の比較に用いられるようになり、この比較を行う事で各施設での医療の質の評価ができるようになった。このことが“患者重症度評価がなぜ必要か”のひとつの解答となっていると考える。そのため、私たちは、過去に、ICUで何らかの研究をするには、ICU 入室患者の重症度評価が必要と考えた。そこで、厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業ICU部門の研究として、ICUにおける感染サーベイランスを行った時に、同時にICU入室患者の重症度評価の収集も行った。即ち、一般の院内感染に関する指標(VAP、CAUTI、CRBSIなどに必要な指標)とともに、年間収容患者数、APACHE2による重症度評価、標準化死亡率、ICU在室日数、在院日数、デバイス利用率を集計した。この研究は、2000~2005 年まで5年間継続され、2001年の参加施設は大学病院や総合病院など23施設、全集計患者は、11445人/年であった。集計された結果は解析され、それぞれの施設への還元情報として、参加施設全体の臨床指標(平均値)と、施設間比較に関しては箱ひげ図を用いて全体のばらつきを示し、当該施設の臨床指標は、その施設だけが認識できるように図示した。その後、必要な指標の入力に時間がかかることや、入力に対する還元情報が見合わないとのことより、参加施設は減少し、当初の予定の5年後に大規模な研究に発展させることができずに終了した。この間、データを提出する側とデータを収集する側のそれぞれの問題点について述べることで、“患者重症度評価に何が必要か”と“患者重症度評がなぜ必要か”について考えていきたい。