ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-291-PD3-1 クリニカルラダー導入に向けた教育体制の構築地方独立行政法人 大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター植村 桜、宮原 聡子、松村 京子、木村 千穂、川口 なぎさ当院では優秀な看護職員の育成を目指し、2004年度からキャリア開発ラダーを導入している。キャリア開発ラダーの特徴は、クリニカルラダーという看護実践能力の段階を示すだけではなく、目標管理の一環として、個人と組織の双方が支援ツールとして活用できる仕組みにある。しかし、キャリア開発ラダーは全看護職員を対象としているため、看護実践目標が抽象的であり、専門領域における看護実践能力の評価基準や評価方法は明確でない。そこで、キャリア開発ラダーと連動したクリティカルケア領域のクリニカルラダー(以下、ラダー)を導入する準備を進めている。ラダーの導入には、組織の背景や教育方針を踏まえた看護実践目標を掲げ、到達段階に連動した教育体制を構築することが重要である。2013 年度に当院のクリティカルケア領域(ICU・救急・HCU/CCU)の看護師131名を対象に専門領域の教育体制に関する質問紙調査を実施した(回答者128 名:回収率97.7%)。その結果、全部署において、初心者~エキスパートレベル共通で教育ニーズ(Off-JT)の高い項目は「急変の予測」「人工呼吸器装着中の患者の看護」「フィジカルアセスメント」であり、部署別で有意差を認めた項目は「災害看護」「薬剤管理」「急変の予測」「家族看護」であった。レベル別で有意差を認めた項目は「終末期ケア」であった。レベル別の到達段階に応じた共通項目とサブスペシャリティにあたる部署別項目の2本柱の教育体制の構築が必要であると考える。教育体制の構築には、Off-JT とOJTの連動、教育担当者の疲弊や研修増加に伴う時間外勤務の増加、勤務形態の多様化による院内教育機会の減少などの課題を抱えている。エキスパートの活用、時間内研修の拡充、e ラーニングシステムの導入などの対策を掲げ変革の最中にある現状を報告するとともに、人材育成を目指した教育体制の構築について議論を深めたい。パネルディスカッション 3 2月13日(土) 8:00~9:30 第9会場ICUクリニカルラダーを用いた人材育成PD3-2 ICU看護師の実践能力の維持向上のためのICU クリニカルラダー作成導入と活用について独立行政法人国立病院機構 東広島医療センター當麻 麻美A病院ICUではここ数年、年間約20%のスタッフが退職、育休、配置換えとなり、ICU看護実践能力を維持することが困難な状況となった。そこで個々の課題や目標を明確にし、実践能力の維持向上を図るため、平成25 年度よりICU クリニカルラダー(以下ICUラダー)を作成し、平成26 年度より運用を開始した。ICU看護師は、高度な臨床判断能力と多くの看護スキルが求められる。そのためICUラダーの看護実践能力を評価するための技術チェック表(ICU技術チェック表)を、専門的知識と技術を段階的に身に付けることができるように作成した。さらに今まで病棟看護管理者の暗黙知で開始していた救急外来業務、カテーテル治療介助、各勤務のICUリーダーをICUラダーの到達目標や看護実践能力の項目に組み入れて作成し可視化した。平成26 年度ICU ラダー評価を行ったスタッフに対してアンケートを実施した。その結果「チャレンジ事項の明確化」については、できた10%、まあまあできた74%、「弱み・苦手分野の明確化」については、できた11%、まあまあできた84%、「自己の目標の明確化」についてはできた5%、まあまあできた69%と半数以上のスタッフが「個々のチャレンジすべき事項」「弱み・苦手分野」「目標」を「明確にできた」「まあまあできた」と回答した。これより看護実践能力を評価するためのICU技術チェック表を評価することが、ICU看護師として求められる看護実践能力を認識し、個々の目標を明確にすることができたと考える。しかし平成26 年度はICUラダーを評価したが、その結果を用いた教育を行うことができていない。よって平成27年度はICUラダーを用いた教育内容を検討し、実施する予定である。また、新人教育では院内共通の技術チェック項目にICUラダー技術チェック表の項目を追加し、定期的に技術テストを実施したり、中途採用・配置換えスタッフに対してはICUラダー技術チェック表の評価を、定期的に実施する予定である。