ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-249-SY15-7 rSO2による心肺停止患者への胸骨圧迫の質評価の可能性と必要性武蔵野赤十字病院救命救急センター安田 英人、須崎 紳一郎、勝見 敦、原 俊輔、三浪 陽介、東 秀律、平山 優、安達 朋宏、本澤 大志、岸原 悠貴【目的】院外心停止(OHCA; out-of-hospital cardiac arrest)患者に対して無侵襲脳局所酸素飽和度(rSO2; Regional CerebralOxygen Saturation)値を計測し、心肺蘇生中の動脈圧変化とrSO2変化の相関性を検証し、OHCA患者に対する心肺蘇生中のrSO2値モニタリングの有用性および胸骨圧迫の質評価の可能性を検証すること。【方法】OHCA患者のうち、来院時心停止状態であり、蘇生中に動脈圧モニタリングを実施した患者とした。来院直後よりrSO2 を連続的に測定し、動脈圧モニタリング測定を開始した時点から3分毎に収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧およびrSO2を測定し、心拍再開もしくは蘇生終了まで測定を行った。解析方法は各ポイントにおけるrSO2と平均動脈圧もしくは収縮期血圧に対して回帰分析を行った。【結果】対象患者数は36 名で、その患者背景は年齢76歳(IQR 69-82)、男性86%、目撃ある心停止が78%であった。血圧とrSO2 の単回帰分析では平均血圧とrSO2 の相関係数が0.447 と軽度の相関関係を示し、重回帰分析においても有意な関係性を示した(p < 0.01)。また変化率においてはΔ平均血圧とΔrSO2 も相関係数0.249 と軽度の相関関係であった。重回帰分析においてはΔ収縮期血圧とΔ rSO2 に有意な関係性が示された(p=0.007)。考察本研究において心肺停止患者に対する胸骨圧迫時の平均血圧および収縮期血圧とrSO2 は軽度の相関関係が示された。これにより胸骨圧迫による脳血流維持の指標としてrSO2の有用性が期待される。今後はrSO2をモニタリングしながらの胸骨圧迫が患者予後改善に結びつく可能性がある。