ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-231-SY8-3 集中治療専門医によるopen ICU からclosed ICUの変更に伴う病院全体の薬剤使用量の変化一宮西病院 集中治療部坪内 宏樹、川出 健嗣、野手 英明、仲野 実輝、鳥居 隼、橋本 慎介、高橋 伸二【はじめに】一宮西病院は、2015年4月に集中治療専門医の資格を有する医師を含め3名の集中治療医が着任した。さらに6月からは、それまでopen style であったICU を集中治療医が全ての全身管理を担当する完全なclosed ICU として管理を開始した。今回、そのopen ICUからclosed ICUへの変更に伴う病院全体の薬剤使用量の変化について、後方視的に検討を行った。【方法】Closed ICUが始まった6月から8月の3ヶ月間(C群)の病院全体の薬剤使用量を、開始前の3月から5月の3ヶ月間(O群)と比較した。【結果】カテコラミン類はO群でノルアドレナリン1060A・ドパミン485本・ドブタミン445本であったのに対し、C群でノルアドレナリン2320A・ドパミン175本・ドブタミン330本でノルアドレナリン使用量が2倍となり、ドパミン使用量が1/3となった。抗生剤はバンコマイシン・メロペネムが増加していた。鎮静剤はデックスメデトミジンの割合が若干増加した。また電解質補正に関してはO 群でリン酸Na20A・硫酸Mg10Aに対しC 群でリン酸Na150A・硫酸Mg140Aと増加していた。【まとめ】集中治療専門医によるclosed ICU 開始に伴い、病院全体の薬剤使用状況は大きく変化した。とくにカテコラミンの使用に関しては、それまでの各科医師の経験則による使用法(ドパミン多用)から、敗血症診療ガイドラインに従ったノルアドレナリンを第一選択とする使用に変化した。抗生剤もバンコマイシン・メロペネムが増加していた。しかしこれらの抗生剤の使用量が増加した時はde-escalationがきちんとなされているかの検証が必須である。また、それまでほとんどなされていなかったリンやマグネシウムといった電解質の使用量が増加しており、これは、専門医によるclosed ICUによって集学的な治療がなされるようになったことを表していると考えられた。