ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
226/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている226ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-224-SY5-3 急性臓器障害を伴った感染疑い患者における血中IL-6,プロカルシトニン,プレセプシン,CRP測定の臨床的意義千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学高橋 和香、中田 孝明、矢崎 めぐみ、織田 成人【背景】敗血症において,プロカルシトニン(以下PCT),プレセプシン(以下PSEP),インターロイキン6(以下IL-6),CRP は,感染の有無や重症度との関連が報告されている.しかしながら,この4つのバイオマーカーの比較は十分に行われていない.【目的】IL-6, PCT,CRP,PSEP の感染症診断能および転帰予測能を解析・比較し,その臨床的意義を明らかとする.【対象と方法】2014年6月から2015年5月までに当ICUに入室し,急性臓器障害を伴った感染が疑われる患者を対象に,PCT,PSEP,IL-6, CRP を隔日7日目まで同時測定した.臨床経過や画像診断, 細菌学的検査に基づき,The International Sepsis Forum Consensus Conferenceon Definitions of Infection(Calandra T et al. Crit Care Med 2005, 33:1538)に則って感染症の有無を判断し,非感染症患者(対象群)と感染症患者(感染群)の2群に分け比較した.【結果】全100例中,対象群は15例,感染群は85例であり,各群のAPACHE IIスコア(中央値)は24 vs 28, p=0.10,SOFAスコア(中央値)は6 vs 11, p=0.0009であった.28日死亡率は,対照群0例(0%),感染群15例(17.6%), p=0.12であった.感染症診断における各バイオマーカー(day1)のAUC[95%CI]は,IL-6が0.824[0.735-0.913]と最も高く,PCT 0.813[0.714-0.911],CRP 0.764[0.645-0.883],PSEP 0.681[0.513-0.849]と続いた.また28 日転帰についてのAUC[95%CI]最大値は,IL-6(day7)0.883[0.788-0.978],PCT(day5)0.596[0.439-0.753],PSEP(day3)0.600[0.448-0.794],CRP(day3)0.610[0.428-0.769]とIL-6のAUCが最も高かった.さらにIL-6のAUCは経時的に高くなる傾向を認めた(0.654(day1)→ 0.760(day3)→ 0.813(day5)→ 0.883(day7)).【結論】急性臓器障害を伴う感染疑い患者において,IL-6 血中濃度は最も感染の診断能が高かった.またIL-6 高値遷延は28 日死亡の予測因子となり得ることが示唆された.