
ごあいさつ
日本集中治療医学会 第9回関東甲信越支部学術集会
会長 武居 哲洋
横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター

このたび日本集中治療医学会第9回関東甲信越支部学術集会の会長を拝命いたしました武居哲洋です。会期は2025年7月26日(土)、会場はパシフィコ横浜ノースとなります。
日本集中治療医学会には7つの支部があり、関東甲信越支部はその中でも最大規模の支部となります。日本集中治療医学会では、これまでに支部学術集会の存在意義は何であるかについて議論を深めてきました。この中で、若手や集中治療に携わる多職種の活躍の場を提供することが支部学術集会の存在意義ではないか、という意見が多く出されました。ここ15年ほどで日本集中治療医学会の専門医数は指数関数的に増加し、2022年には「集中治療科」が日本専門医機構からサブスペシャリティ領域として認定されるとともに、厚生労働省の調査する医師届出票の臨床分野の中に新たに「集中治療科」が加わりました。このように、集中治療医学は臨床医学分野の中で確実にそのポジションを確立し、現在伸び盛りの診療科と言えます。
しかし、この勢いが永遠に続くとは限りません。私たちは、未来のことを考えなくてはなりません。若手や集中治療に携わる多職種が中心となって活躍し、楽しく交流できる場として支部学術集会を活性化する必要があると思います。
ということで、今回の学術集会のテーマは「ひとすじのきらり−未来を紡ぐ−」とさせていただきました。抽象的なタイトルですが、これも若手医師たちのブレインストーミングを反映して決めました。少し混沌としていたコロナの時代からひとすじの光が見えてきました。また、学術集会ではひとすじのきらりと光る発表やアイデアを紡ぎ、未来の集中治療の発展に繋げていきたい、そんな想いを込めています。実際プログラムのほとんどを若手スタッフだけで企画していただきました。その一部をかいつまんで紹介します。
- 特別講演:元厚生労働事務次官である鈴木俊彦氏(日本赤十字社副社長)より、現在の若手が指導的立場となる2040年以降の医療を取り巻く環境を俯瞰した講演をしていただきます。若手も必聴です。
- 特別企画:昨年改訂された脳死判定マニュアルについての企画です。
- ハンズオンセミナー:今回の学術集会の目玉です。人工呼吸器、神経集中治療、ICUエコー、気管切開緊急対応の4つのトピックスについて、エキスパートが直接伝授します。セミナーにより申込なしでも当日見学が可能ですのでHP等でご確認ください。
- 教育講演:PCAS、気管切開、集中治療とLess is more、小児集中治療、Critical Care Nutrition、臨床倫理、薬剤管理、血液浄化など多職種に関連した企画が目白押しです。
- シンポジウム、パネルディスカッション:多くの公募演題より心不全、臨床倫理、医療安全、多職種連携、終末期医療、ECMO、臨床研究、早期リハ、ARDS、ICU環境について議論します。「2050年のICU:ひとすじのきらり」には黒田理事長にもパネリストとして登壇いただき、医療Dxを含む近未来のICUについて展望を熱く議論します。
- 優秀演題:査読により勝ち残った精鋭12演題が厳正な審査を受けて競いますので、応援してください。
このように、若手をはじめ集中治療に携わる多職種が存分に活躍できる企画を組んでいますので、ご期待ください。ぜひ、多職種お誘い合わせの上ご参加いただければと思います。真夏の横浜ですのでどうか軽装でお越しください。一同心よりご参加をお待ちしています!
