日本集中治療医学会 第10回関西支部学術集会

ごあいさつ

会長 小尾口 邦彦
日本集中治療医学会 第10回関西支部学術集会
会長 小尾口 邦彦
(長崎大学大学院 移植・消化器外科学)

平素は格別の御高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さてこの度、2026年6月20日(土)に京都産業会館を会場として、日本集中治療医学会 第10回関西支部学術集会を開催する運びとなりました。

今回の日本集中治療医学会 第10回関西支部学術集会のテーマは「ICUのリスキリング」としました。
日本集中治療医学会は50年以上の歴史を持ちます。他の医療系学会と比較したとき、集中治療医学会の最大の特徴の一つとしては多職種の参加が多いことがあげられます。当初より、医師のみならず看護師・臨床工学技士の学会員・学会参加者がいましたが、その割合は増加の一途をたどっています。さらに、近年、薬剤師、管理栄養士、理学療法士などとICUにおける連携が深まるとともに、集中治療医学会への参加者数も非常に増えています。

かつて、重症患者の救命が最大のICUの目標でした。現在も救命は大きな目標でありますが相当なレベルで達成できるようになり、患者の機能的予後の改善、患者の社会復帰、患者が自立して生きてゆけるようサポートできるかに焦点がうつりました。そのために多職種連携が欠かせないツールとなっています。多職種連携という言葉が語られるようになって久しいですが、それを言うだけで実践できるわけではなく、時として上滑りな言葉となります。

リスキリングとは、「技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」であり、実社会においてポピュラーとなって久しい用語です。
新規治療・新規医療デバイスの登場などによりICU治療は日々進歩しています。多職種連携の望まれるレベルも上がっています。保険医療におけるICUの位置づけも大きく変化しました。一方、ICU治療が進歩しあるいは多岐にわたった結果、治療の複雑性が増加した面があり、多職種医療者それぞれからすると、他職種医療者が行う治療、あるいは医師の間でも他医師が行う治療が時にブラックボックス化している面があります。

本学術集会では、ICUにかかわる知識を単なるブラッシュアップではなく、増大した様々な医療者が、ICU治療を俯瞰的にとらえる機会とすることをめざし、関係者一同鋭意準備を進めて参りますので、ぜひ多職種の皆様にもご参加いただけましたら幸いです。

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