集中治療とは

学生さん・研修医の皆さまへ

Medical student / Resident

集中治療とは、“生命の危機にある重症患者さんを、24時間の濃密な観察のもとに、先進医療技術を駆使して集中的に治療するもの”であり、集中治療室(ICU)とは、“集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位”と定義されています(今井ら. 日本集中治療医学会雑誌 2009;16:503-504)。

 重症な患者さんにおいては、従来の管理されている病気の枠を超えて臓器不全が進行します。この病態学的な理解を基に集中治療は、中枢、呼吸、循環、腎臓、肝臓、血液、筋肉などの全臓器の管理を行います。また、意識障害、呼吸不全、循環不全、腎障害、肝障害、貧血、凝固障害、筋萎縮などの臓器不全により、生死の境をさまよう患者に対する診断と治療を行います。現在は最良の臨床研究データに基づいて、高い質で効率の良い診療を行う集中治療専門スタッフからなる“ICUチーム”の存在が不可欠となりました。この診断と治療の主軸と教育者として、集中治療専門医は存在します。急性期病態の診断と管理を集中治療認定施設で学ぶ過程で、集中治療専門医の道を開くことができます。



内科系・外科系の各専門診療科の専門診療も、驚くべきスピードで進歩しています。その結果、各専門診療科医師は各専門医として質の高い診療を行うために長いトレーニング期間を必要とし、集中治療における全身管理トレーニングをすることが難しい状況にあります。また、外科系専門診療科医師は日常診療時間のほとんどを手術、手技、外来、一般病棟業務に費やすことが求められ、ICUで重症患者に向き合う時間を取れません。ICUに自分が主治医である患者さんが入室したら、集中治療専門スタッフの存在は大きな安心材料になるでしょう。集中治療領域の学術は、急速に発展しています。集中治療専門スタッフの存在は、患者さんばかりでなく、各専門診療科医師にも福音と言えるでしょう。

集中治療専門医を目指すには、集中治療認定施設での研修が必要です。重症患者さんに良質な診療を行うための集中治療、この分野を専門的にトレーニングし、実践し、研究を行う集中治療医すなわち”Intensivist”の誕生が期待されています。Intensivistとは、全身を診ることができる“重症患者の診断と治療にあたる総合診療医”と言えるでしょう。

日本集中治療医学会は、このホームページを通して、学生・研修医の時期からしっかりと集中治療を学ぶことができるように、集中治療認定施設、学術集会、ガイドライン、日本集中治療医学会雑誌などの内容を確認できるようにしました。どうぞ、ご参考として下さい。


2017年8月
日本集中治療医学会広報委員会