看護師より市民の皆さまへ

集中治療看護の特徴について

 集中治療室のイメージはどのようなものでしょうか?
医療機器がたくさんベッドの周りにあり、モニターやアラームの音がしている。働いている看護師さんは、マスクをしていて、顔がよくわからない。医療機器を扱っている。入室する人は全て意識がなく重症である。このようなイメージでしょうか。

 集中治療室には、手術後などを含めて重篤な患者さんが数多く入室されます。集中して医療を提供する場ですので、患者さん、ご家族、そして医療者にとって、緊張感のある場所となりやすいのだと思います。
そのような集中治療室において、集中治療の看護師は、交代体制ながらも24時間体制で患者さんの側にいます。集中治療室での看護体制は現在、患者さん数:看護師数として、昼間は1:1、夜間は2:1などという基準が定められています。看護師は、いつも患者さんのすぐ側で24時間体制のケアをしています。

 患者さんの側にいる看護師は、患者さんの少しの身体的変化に注意して対応します。定期的に評価する多くの観察事項から、何が起こっているかを考え、医師と連動して対処するようにしています。例えば昏睡状態に見えるような患者さんであっても、少しの表情などの変化から、苦痛や不安を感じ取り、苦痛や不安が和らぐように対処します。このように、集中治療看護は、重篤な状態における患者さんにおいても、患者さんやご家族が望む治療を支えています。 

 さて、集中治療は現在、急速な勢いで発展しています。この実践のためには、集中治療室に勤務する皆が日々研鑽し、各職種としての専門能力を高めていかなくてはいけません。日本集中治療医学会は、医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師などのさまざまな職種が連携し、各領域の能力を集中治療領域に対応できるように磨き、医療安全に努め、結果として患者さんとご家族に満足のいく診療体制とすることを目標としています。現在、集中治療室に勤務する看護師が、集中治療を理解して支えていく体制が充実してきています。

 このホームページから、集中治療の多職種連携をご理解ください。集中治療で働く看護師は、「病気」を看るだけではなく、病気になられた「人」を看ることを大切にしています。看護師が、皆さんのパートナーとしての役割を果たし、患者さんのご自身らしさを維持できるように集中治療領域におきましても尽力させていただいています。

2017年3月
日本集中治療医学会 理事 宇都宮明美