ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-855-FP-328 慢性呼吸不全憎悪と肺高血圧症を合併した患者への人工呼吸器離脱に向けた早期リハビリテーションと看護介入大阪市立総合医療センター 救命救急センター上山 千昭、行元 悦子、橋爪 裕子、重光 胤明、林下 浩士、川口 なぎさ【目的】慢性呼吸不全の憎悪に加え肺高血圧症を合併し人工呼吸器で呼吸管理された患者に対し、早期から人工呼吸器離脱に向けて行った看護介入を振り返り、リハビリテーション(以下リハビリとする)や看護介入の効果を明らかにする。【方法】事例検討。入院から転医までの54日間を振り返る。患者は60歳代女性。既往に陳旧性肺結核(右肺切除)、気管支拡張症、慢性呼吸不全があった。入院前はつたい歩きだが日常生活は自立していた。【結果】入院翌日から床上リハビリ、前傾側臥位や腹臥位の体位ドレナージを開始した。徐々に端座位などの離床を進め、12 日目に車椅子へ移乗できた。19 日目から移送用呼吸器を使用し歩行訓練を開始した。25日目から呼吸器ON- OFF 法を開始、徐々に人工呼吸器の離脱時間を延長し、37 日目から酸素投与で歩行できた。入院翌日から不眠や下痢、12日目からは陰部のびらん、気管切開部の痛み、口内炎が出現し、リハビリを勧めると「リハビリは嫌」「しんどい」と頻繁に訴えた。各症状に対して医師、看護師、口腔ケアチーム、精神科リエゾンチーム、栄養サポートチームが介入、19 日目頃から症状が軽減し始め、「あと1 時間は車椅子に座ってる」などの言葉が聞かれた。その後、患者との会話から車椅子でトイレに行くことを目標にし、始めは看護師主体で1日の計画を決めたが、次第に患者が主体的に計画を決めることができるようになった。【考察】人工呼吸器を装着した時点から早期離脱に向けて介入することが重要である。治療と並行し、早期からリハビリを開始したことで、患者の呼吸機能や日常生活動作は改善した。リハビリは患者の主体性や意欲が結果を大きく左右する。今回、様々な身体症状が患者のリハビリへの主体性や意欲に影響したことから、身体症状への看護介入は重要であると言える。また、患者と共に目標を決め、計画的にリハビリを継続する関わりが重要である。FP-329 ICU におけるリハビリテーション拡充への取り組みと、ADL拡大状況の変化佐賀大学医学部附属病院山口 紗和当院では、2014年の4月よりICUに専任の理学療法士が配置された。しかし、理学療法士がADL拡大を進める一方で、看護師によるケアは全介助であるなど、理学療法士と看護師の介入に乖離があった。そこで、患者のADL 拡大を目指し多職種間の協働を充実させるために、2014年10月より理学療法士と看護師の情報共有を目的としたリハビリテーションカンファレンスと、始業前の合同ミーティングを導入した。また、当院ICU では、リハビリテーションを行う際の基準がなく、理学療法士不在時のリハビリテーション内容や、リハビリテーションが続行可能かという判断は看護師の経験による差が大きかった。そのため、看護師へのアプローチとして、2015 年7月より、理学療法士と共同で作成した離床基準を提示した。これらの取り組みの結果、ICU 退室時の患者のADL拡大状況にどのような変化があったかを調査し報告する。対象および調査方法:2014/5/1~2014/9/30、2015/5/1~2015/9/30 にICUに入室した心臓血管外科の定期手術後の患者を対象に、診療記録からICU 退室時のADL 拡大状況を集計し比較する。結果:2014 年度と比較して2015年度の患者のADL は拡大した。考察:専任の理学療法士との合同カンファレンスを充実させることで、看護師のリハビリに対する意識が向上したことがADL拡大の一因となったと考える。FP-330 SBS(State Behavioral Scale)の信頼性の検討北海道立子ども総合医療療育センター 看護部 PICU田崎 信、田村 美幸【目的】小児人工呼吸器管理患者の適切な鎮静状況評価を行うために、SBS(State Behavioral Scale)の信頼性を検討する。【研究方法】対象は挿管・気管切開による人工呼吸器管理を受けており、鎮静薬を持続静脈投与されている患者であり、かつ脳幹の機能が保たれている指標として睫毛反射が認められるPICU在室患者とした。データ収集期間は2014年10月~2015年6月。1人の患者の鎮静深度についてSBS を用い2 人のスタッフが同時に独立した評価を行った。得られたデータはkappa 係数を用いて分析し0.61<κであれば一致すると判断した。なお統計処理にはSPSS Statistics ver23.0を用いた。【結果】18名の患者に対しデータ数は76であった。対象の特性は胸部外科11 名、消化器外科2 名、脳外科3 名、耳鼻科2 名であった。対象の年齢は生後4 日から12 歳まで分布し、その中央値は240 日であった。対象の人工呼吸器管理時間は13時間から576時間まで分布し中央値は111時間であった。集計されたSBSスコアの最頻値は-2(侵襲刺激に反応)であり、次いで-3(反応なし)が多かった。鎮静に使用した薬剤はフェンタネスト、ミダゾラム、イソゾール、エスラックスであった。κ= .822であり評価者間信頼性はほぼ完全に一致しているという結果になった。【考察】当院でのSBSによる鎮静状況評価では、評価者によって評価が変わることなく高い信頼性があることが明らかになった。対象とした患者は睫毛反射が保たれている患者であり、術後管理のためにPICU に入室した脳性麻痺などの神経疾患患者も含まれている。そのため患者の神経学的な基礎疾患に関わらず使用できることが示唆されるが、本研究では患者特性ごとの分析は行っていない。より精度の高い信頼性の検討には患者特性ごとの研究が必要である。鎮静深度は深い傾向にあり、今後はSBS を使用した評価と適切な鎮静深度の検討が必要である。