ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-835-FP-268 当院におけるCBP 血液回路内凝固の検討東京医科歯科大学医学部附属病院MEセンター佐藤 由利、星野 春奈、野田 明里、倉島 直樹持続的血液浄化療法(CBP)は、集中治療領域において、必要不可欠な治療となっている。当院では、CBPの治療開始、回路交換、トラブル時は我々臨床工学技士(CE)が対応しているが、施行中におけるトラブルの中には、治療開始から短時間でのCBP 回路内凝固の発生があり、凝固線溶系に異常を来たす、播種性血管内凝固症候群(DIC)症例や重症敗血症症例、脱血異常、抗凝固剤の使用や輸血など様々な原因が考えられる。さらに、予期せぬ回路内凝固により、down timeや血液Lossといった問題点が挙げられる。今回、当院にて2010 年4 月から2015 年8 月までにCBPを施行した症例のうち敗血症例における24 時間以内の回路内凝固を来たした症例について、回路内凝固の予測因子について血液データを用いて後ろ向きに検討した。以前当院の研究では、24時間以内の回路内凝固の予測因子として、Fbg、FDP、Hct が挙げられると報告した。Sepsis 症例では、DIC スコアは4 点以上であることが多く、線溶抑制型DICとなった凝固症例であったことが示唆される。また、DICによる凝固障害では、凝固系の破綻により、血栓症、出血性疾患を併発することがあるため、臓器障害、感染の増悪を招くリスクとなる。日本敗血症診療ガイドラインでは、血栓が各臓器の血流を傷害し多臓器不全を招来すると記載されている。体内でこの様な状態になっているとヘモフィルター内でも同様の状態が発生し、回路内凝固が発生する可能性がある。今後、血液データから予測因子に対する検討、また、早期のDICに対する治療の開始、ヘモフィルターの選択を考慮する必要があると考える。FP-269 開胸術後に縦隔洞炎を発症した1 症例へのリハビリテーションの有効性1)独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 リハビリセンター、2)独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 心臓血管外科久保 貴嗣1)、野中 利道2)【はじめに】心臓外科術後の縦隔洞炎発症率は約1%で発症後死亡率は10~40%と報告されているが,縦隔洞炎へのリハビリテーション(以下リハビリ)についての報告は少ない.そこで今回,不安定狭心症に対するCABG術後に縦隔洞炎を発症した患者へ早期からリハビリを行い良好な結果が得られたので報告する.なお,発表に際し患者に十分に発表の趣旨を説明し同意を得た.【症例】70代男性.既往歴に労作性狭心症,糖尿病,高血圧,血液透析が認められた.自宅で胸部痛を自覚し当院救急外来を受診,UAPが疑われ心臓カテーテル検査を施行後,CABG が施行された.翌日に抜管,リハビリ開始となったが,5病日に薬剤抵抗性の創痛に起因した呼吸困難で再挿管.7病日に縦隔洞炎でデブリードメント手術が施行された.24病日に骨髄炎併発したため胸骨切除し,大胸筋皮弁で閉創するも感染再燃.その2か月後に大網充填施行され縦隔洞炎は治癒した.呼吸管理では4回抜管を試みたが,CO2 ナルコーシスにより再挿管を繰り返し,99病日に気管切開,101病日目に人工呼吸器ウィーニングとなった.リハビリは呼吸状態改善,四肢筋力維持,早期離床を目的に行ったが胸骨欠損による胸郭の不安定性,週3 回6時間の透析により頻度,時間が問題となった.【考察】透析患者の緊急CABG 術後の縦隔洞炎に対し, リハビリを積極的に行うことで換気能力,全身持久力,ADL維持が出来た症例を経験したのでリハビリの取り組みと臨床経過について詳細を報告する.FP-270 東海CHDF 技術検討会が行っているアンケート調査から見えてくる各施設のCBP施行条件や管理の方法1)名古屋第一赤十字病院 医療技術部 臨床工学技術課、2)豊田厚生病院 臨床工学技術科、3)三重大学医学部附属病院 臨床工学部、4)聖隷浜松病院 臨床工学室、5)公立陶生病院 血液浄化療法部、6)松波総合病院 臨床工学科、7)岡崎市民病院 臨床工学室、8)小牧市民病院 臨床工学科開 正宏1)、中前 健二2)、岩田 英城3)、高岡 伸次4)、加藤 博久5)、足立 光生6)、西分 和也7)、神戸 幸司8)【はじめに】東海CHDF技術検討会は平成19年より東海地方の臨床工学技士が、持続血液浄化療法(CBP)の技術や知識の向上、そして共有を計る目的に活動してきた。症例検討や教育講演を中心に現在まで10 回の開催を行った。またあわせて毎開催ごとに各施設へ事前アンケートをしている。今回はアンケートを通じて、各施設におけるCBPの施行条件や管理方法、そして変遷などを若干の考察を加えて報告する。【対象と方法】東海地方(愛知・三重・岐阜・静岡)と北陸地方(富山・石川・福井)でCBPを行っている施設を対象とした。施行条件や管理方法、年間症例数など26 項目を調査して集計した。【アンケート結果】約70施設から回答を得られた。CBPの施行症例数は各施設により様々である。施行場所は集中治療室以外でも行われており、管理に関しても臨床工学技士以外が回路充填やトラブル対応をしている施設もある。条件は膜の種類や抗凝固剤の選択、モード(CHDF・CHF・CHD)の使い分けや濾過型人工腎臓用補液の使用量などの動向も得られた。【考察とまとめ】アンケートは今回で7回目のとなり、設問内容も毎年改良を進めてきた。特に最近は炎症性メディエータの吸着を目的とした大膜面積型PMMAやAN69ST を用いた血液フィルターが上市され、採用施設も増加しているようである。また、回路充填の自動化機能を有するCBP 装置も導入されており、準備手技は標準化が進んだ印象もある。近年はCBP にCHDF 以外の緩徐型血漿交換(Slow PE)や長時間エンドトキシン吸着療法(Long-term PMX-DHP)も行われおり、それらがCHDF と併用しているのか等も調査できた。今後はCBP の標準化も視野に入れて、アンケート内容を積極的に活用していたきいと考えている。