ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-831-FP-256 ICU における敗血症患者への血液浄化療法について金沢大学病院 集中治療部越田 嘉尚、岡島 正樹、野田 透、佐藤 康次、関 晃裕、相良 明宏、北野 鉄平、余川 順一郎、中村 美穂、谷口 巧【背景】敗血症ガイドラインや最近の報告において、血液浄化療法が予後を改善するかどうかの結論はいまだ議論される。一方、日常診療で血液浄化療法後に著明に状態改善をみる症例も存在する。【目的】当院ICU における敗血症患者に対する血液浄化療法の現状を報告する。【対象】2013年4月から2015年4月までの直近2年間に、敗血症と診断されICU入室を必要とした患者。診療録をもとに後ろ向き検討を行った。【結果】敗血症入室数66症例(男38女28 平均63±15歳)、ICU入室時重症度スコアはAPACHE 19 ± 7、SOFA 7.8 ± 3.9. 感染原因は腹腔内、尿路が多くを占めた。血液浄化あり50 例(76% PMX + CHDF41 例、CHDF単独9例)、血液浄化未施行16例(24%)、血液浄化療法群が入室時重症度スコア(SOFA/APACHE)、PCT高値症例が多く。カテコラミンの使用度が高い結果であった。カラムの選択においてCHDF 単独施行症例は腎不全からの呼吸不全・体液量コントロール目的、また外科的感染除去不能例といった重症例が含まれていた。感染源が腹部やグラム陰性桿菌といった原因がはっきりした症例においてPMX による血液浄化後の重症度スコア改善を認めた。それぞれの各群の死亡率は20/44/6%と血液浄化群で高い値を示した。【考察】ICU 入室時にすでに重症度、臓器不全数が多い患者では血液浄化療法が不可避であり、予後が不良となる結果となった。本邦において血液浄化施行・未施行のRCT は難しいが腹部・グラム陰性桿菌感染等に原因が判明している症例ではPMXによる血液浄化前後での重症度改善が期待できる。FP-257 AN69ST膜を用いたCHDF により救命しえた劇症型肺炎球菌感染症の一例秋田大学医学部附属病院中川 惟、奥山 学、五十嵐 季子、中永 士師明【症例】65歳女性。右耳痛が出現した翌日に発熱と倦怠感を主訴に救急搬送された。C 型肝炎と自己免疫肝炎の既往がありプレドニゾロンを内服していた。来院時血圧91/54mmHg,脈拍115/分整,体温39.4℃,右耳より浸出液がみられた。血液検査上WBC19700,CRP 2.25,Lac 43,P-SEP 481 であった。CT を施行したが中耳炎以外に感染を疑う所見は認めなかった。CTRX投与を開始し全身管理のためICU 入室となった。昇圧剤投与も開始したが,入室後さらに血圧低下がみられ,ノルアドレナリン0.8μg/kg/minとピトレッシン4U/h投与下でも収縮期血圧が50mmHg台,HR160 台の状態が続いた。また無尿であったため,入室6 時間後に人工呼吸管理とし,AN69ST膜を用いたCHDF を開始した。開始後6 時間ほどで血圧の上昇がみられた。入院時の血液培養から莢膜型が23A型のペニシリン感受性肺炎球菌が検出され,臨床的に効果を認めていたためCTRX投与を継続した。その後呼吸循環動態が安定したため第3病日に抜管し,CHDF も終了した。なお患者は2015 年に23価型の肺炎球菌ワクチンを接種していたが,23A 型はこれに含まれていなかった。第5 病日に状態が安定しICU 退室,第14 病日に退院となった。【考察】本症例では以前よりプレドニゾロンを内服していたことが劇症化に関与した可能性がある。劇症型肺炎球菌感染症は高サイトカイン血症を特徴とする死亡率の高い疾患であるが,本症例ではサイトカイン吸着性能をもつとされるAN69ST膜を用いてCHDFを行ったことが救命につながったと考える。FP-258 冠動脈バイパス術後3 日目に発症した緑膿菌敗血症・ARDSに対してAN69ST膜による血液浄化療法が奏功した一例医療法人沖縄徳洲会 中部徳洲会病院 集中治療部西島 功、宮城 翔太、古謝 竜太、渡慶次 賀博、永井 優子、翁長 朝浩、仲地 勝弘、森山 めぐみ、上 恵美子、伊波 潔【はじめに】2014 年7 月、AN69ST 膜(sepXiris)はCytokine-absorbing hemofilter として、重症敗血症及び敗血症性ショックに対して保険適応となった。今回我々は、心拍動下冠動脈バイパス術(OPCABG)後早期に生じた敗血症性ショックに使用し、良好な経過となった症例を経験したので報告する。【症例】76歳、男性。冠動脈3枝病変に対して、OPCABGを施行した。手術当日に抜管、術後1日目には食事・歩行を開始した。術後2日目、中心静脈カテーテルを抜去し、術後経過は良好であった。術後3日目、突然の悪寒戦慄が出現し、発熱。MEPM・VCMを投与するも病状は徐々に増悪した、6 時間後にはPulseless VT となった。除細動にて心拍再開し、呼吸不全に対してBiPAPを開始した。敗血症性ショックと診断、AN69ST膜を用いた血液浄化療法を開始した。開始後1 時間で血圧が上昇、意思疎通も可能となった。血液培養から緑膿菌が検出された。その後ARDS・DIC を併発するも、術後10日目に血液浄化療法より離脱した。緑膿菌の感染源は特定できず、腸管からのBacterial Translocationが疑われた。術後14日目、一般病棟へ転床し、術後28日目、自宅へ独歩退院となった。【考察】敗血症性ショックでは、サイトカインの吸着除去により、組織酸素代謝障害を改善し生存率の向上に寄与すると期待されている。本邦では以前より、重症患者に対してサイトカインの除去を企図した場合、吸着の原理が注目され、使用する膜の特性により転機に差が出るとの報告がされている。AN69ST膜は強い陰性荷電のハイドロゲルバルク層を有するため、サイトカインを吸着し、HMGB1に対する血液クリアランスは60ml/min とPMMA膜の25ml/minより高値であることが示されている。文献的考察を踏まえ、報告する。