ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-828-FP-247 髄液検査では診断し得なかった,くも膜下膿瘍を伴う侵襲性肺炎球菌感染症の1 例山梨大学 医学部 救急集中治療医学講座菅原 久徳、松田 兼一、森口 武史、針井 則一、後藤 順子、柳沢 政彦、原田 大希、高三野 淳一、吉野 匠、河野 洋介57 歳女性,当院神経内科に白質脳症疑いでかかりつけであった. 自宅にて意識障害が認められた後痙攣が持続したため救急要請,当院へ搬送となった.救急外来到着後,pulseless VTが出現,直ちにCPRを実施し自己心拍の再開を得,同日当院ICUへ入院となった.ICU入室時,GCS 3で呼吸,循環動態は安定していた.原因検索のため行ったCT検査では頭蓋内に占拠性病変や出血性病変を認めず,胸腹部にも有意な所見は認めなかった.脳MRI 画像では脳溝に沿ってT2WI/FLAIR での高信号を認めた.細菌性髄膜炎を疑い腰椎穿刺を行ったが髄液検査では髄膜炎を示唆する所見を認めなかった.血液検査でも炎症反応の上昇を認めず,本症例は白質脳症の進行による痙攣からの心肺停止および低酸素脳症と判断し,低体温療法を開始した.しかし開始後すぐに昇圧剤不応性の血圧低下を認めたため第2ICU病日から平温療法に切り替えた.同日行った血液検査では,白血球数の低下,肝逸脱酵素の上昇,腎機能障害,DICが認められ,敗血症性多臓器不全を疑いMEPMの投与を開始した.その後,プロカルシトニン,IL-6の上昇,また来院時の血液培養でグラム陽性球菌が検出され,検鏡にてStreptococcus pneumoniaeの可能性が高いと考えられ,侵襲性肺炎球菌感染症の診断となった.腎機能障害,高サイトカイン血症に対しPMMA-CHDFを開始,DIC に対しては各種血液製剤の投与を行ったが,多臓器不全は進行し,第3ICU病日にVTが出現,その後血圧低下,pulseless VTへ移行し同日,死亡確認となった.病理解剖にて,くも膜下腔に膿瘍が存在することが明らかとなり,同部位のグラム染色にて白血球の集簇と少数のグラム陽性双球菌を認めた.この所見より,本症例はくも膜下膿瘍を伴う肺炎球菌性髄膜炎であったことが判明した.遷延する意識障害を呈する感染症症例は髄液検査偽陰性でも細菌性髄膜炎の可能性を念頭に置いて治療すべきであると考えられる.FP-248 星状神経節ブロックを用いた老人性認知症治療の途中経過1)医療法人社団 廣徳会 岡部病院、2)佐賀県医療センター好生館岡部 廣直1)、中嶋 保則1)、兒玉 謙次2)<はじめに>社会問題化している老人性認知症患者(SD)は2025年には700 万人に達すると予測されている。星状神経節ブロック(SGB)用いて治療した SD 症例の有用性を示す。<方法> 1 症例左右SGB を5 回ずつ1 クールとして3 クール計30 回、35 症例に対して、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)ならびにMini-Mental State(MMS)で比較検討した。<結果> HDS-RならびにMMSにおいて有意差はなかった。しかし、痴呆性老人ADL 自立度判定基準3以下において有用で、2aもしくは2b へ軽快した。<考察> SGB の適応は疼痛管理のみならず若杉、影嶋らは難治性自律神経疾患において有用であると述べている。その機序は、おそらく恒常性維持調節機構の中心的存在である視床下部のmicrocirculatoin の改善によると推定されている。これをヒントに脳循環血液量増加による視床下部機能改善等から考察した。<結語>SDの早期治療においてSGBとリハビリテーションの併用は有用といえる。FP-249 100kmウォークを契機に発症した横紋筋融解症で急性腎機能障害を生じた1 例1)健和会大手町病院 救急科、2)健和会大手町病院 麻酔科三浦 正善1)、三野 大地1)、前田 穰1)、吉村 真一郎2)、竹内 広幸2)、下里 アキヒカリ2)、西中 徳治1)症例は50 歳の男性,100km-walk のイベントに参加して18 時間の歩行を行った。イベント終了の数時間後に水様性の下痢が出現しさらに数回の嘔吐があった。その後,両下肢の痛みと全身の倦怠感が出現したため当院救急外来を受診した。受診時の血液検査にてCK 201,200 IU/l,BUN 91 mg/dl,Cr 6.34 mg/dl と横紋筋融解症および急性腎機能障害を認めたためICUに入院となった。急性腎機能障害に対して急速大量輸液と利尿剤の投与を行ったが反応せずほぼ無尿の状態であったため,同日緊急血液透析を行った。血液透析時に循環動態が不安定となったため,その後の2日間は持続的血液濾過透析を施行した。第4病日よりHDに変更し,その後11 日間で計6 回の血液透析を必要としたがその間に尿量の増加と腎機能の改善を認めたため,第19病日に独歩退院となった。長時間のマラソンやウォーキングによりCKの上昇や血尿が出現することは知られているが,血液透析を必要とする急性腎機能障害に至った症例は比較的まれである。今回ウォーキング後に下痢と嘔吐が出現しており,ウイルス性腸炎や食中毒などの消化管疾患による脱水の合併が急性腎機能障害の増悪因子と考えられた。