ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-807-FP-184 Bare metal stent留置患者が手術直後に超遅発性ステント血栓症を発症した1 例砂川市立病院糸洲 佑介、丸山 崇、雨森 英彦Bare metal stent(以下BMS)留置患者が手術直後に超遅発性ステント血栓症を発症した1例を経験したので報告する。【症例】63 歳男性。膀胱癌に対して7 年前に膀胱全摘・回腸新膀胱造設術を施行している。3 か月前から血尿が出現し、尿道の発赤病変の経尿道的切除及び両腎盂の逆行性腎盂尿管造影・尿管鏡検査が予定された。10 年前に心筋梗塞を発症し、右冠動脈#1にBMSを留置されていた。また、手術の1 年1か月前に再度心筋梗塞を発症し、同ステント部を含む右冠動脈起始部からの閉塞を認め、同部位にBMS を挿入している。手術の2 か月前に施行した冠動脈造影検査では同部位のステント内50% 狭窄を認めていたが、日常生活問題なく内科的治療で経過観察されていた。【経過】手術は全身麻酔下で施行した。術中は心電図異常なく、大きな問題終了し、病棟帰室とした。帰室2時間後より全身倦怠感・胸部不快感の訴えがあり、12誘導心電図にて2・3・aVF 誘導でST 上昇を認め、急性冠症候群疑いで緊急冠動脈造影が行われた。#1 100%狭窄を認め、ステント血栓症が考えられた。血栓吸引後、同部位にDrug-eluting stent を留置した。血行再建術中に血圧低下を認め、 Intra Aortic Balloon Pumping(以下IABP)を挿入し、ノルアドレナリン投与、血行再建後に集中治療室に入室した。集中治療室入室2 日目に状態安定し、IABP 離脱、3日目に一般病棟に退室した。約1か月のリハビリ後に独歩退院した。【結語】BMS留置患者が手術直後に超遅発性ステント血栓症を発症した1例を経験した。BMS留置後においても超遅発性ステント血栓症は無視できない問題である。FP-185 急性下壁心筋梗塞に心室中隔穿孔を合併した1 例産業医科大学病院 集中治療部清水 智子、入福浜 由奈、原山 信也、金澤 綾子、尾辻 健、荒井 秀明、長田 圭司、二瓶 俊一、相原 啓二、蒲地 正幸急性下壁心筋梗塞に心室中隔穿孔を合併した1 例を経験したので報告する。症例は71 歳女性。クモ膜下出血後遺症で発語障害を認めていた。今回、38 度台の発熱、腹痛、腰痛を主訴に前医に入院、化膿性脊椎炎の診断で抗生剤治療を受けていた。前医入院7日目に、胸部不快感と冷汗が出現、一旦は軽快したが症状再増悪し、胸痛も出現した。ベッドサイドの心臓超音波検査では右心系の拡大を認めたため、肺塞栓が疑われ造影CTが施行されたが、右下肢に深部静脈血栓を認めるものの肺動脈の血栓は指摘できなかった。発症4 時間後、再度胸痛が増悪し、収縮期血圧60mmHg まで低下しショック状態となったため、当院に救急搬送、ICUに入室となった。前医の造影CTでは肺動脈血栓は明らかではなかったものの、心臓超音波検査での右心系の拡大、酸素化不良を認めたことから、肺塞栓による閉塞性ショックに、化膿性脊椎炎の加療中で炎症反応の上昇を認めていたこともあり、敗血症性ショックの病態が加わったもの考えられていた。しかし、精査目的に施行された心臓超音波検査で下部の心室中隔穿孔を認めた。虚血性心疾患の関与が疑われ、緊急冠動脈造影検査を行ったところ、右冠動脈#1と前下行枝#6の完全閉塞を認めた。前下行枝へは円錐枝からの側副血行路を認めており、急性下壁心筋梗塞による心室中隔穿孔の診断に至った。同日緊急で穿孔部のパッチ閉鎖術及び冠動脈バイパス術を施行した。術後PCPS、IABPによる機械的循環サポートを要したが、術後3 日目にPCPS離脱、7 日目にIABPから離脱、術後9日目日目に気管挿管チューブを抜管し、17 日目にはICU退室、心臓リハビリテーション目的に発症30 日目に転院となった。心室中隔穿孔は前壁梗塞に合併することが多く、本症例のように下壁梗塞に合併することは稀とされているが、心臓超音波検査での右心負荷の病態での鑑別すべき疾患の一つとして注意を要すると思われる。FP-186 冠動脈解離の発症に冠攣縮が関与した急性心筋梗塞の1 例1)日本医科大学武蔵小杉病院 循環器内科、2)日本医科大学附属病院 循環器内科高木 宏治1)、曽根 教子1)、徳山 榮男1)、菊池 有史1)、石原 嗣郎1)、石川 昌弘1)、佐藤 直樹1)、清水 渉2)症例は49歳,男性.2015年某日,午前3時,就寝中に胸痛が出現したが,軽快せず,救急要請.心電図はII,III,aVFでST上昇,I,aVLでST低下を認め,急性心筋梗塞の疑いで,緊急冠動脈造影を施行した.右冠動脈#3に90%狭窄を認めたが,右冠動脈全体にび漫性狭小化を認め,冠攣縮を疑う所見であった.冠攣縮に伴う心筋梗塞を考え,ニコランジル,ニトロプルシド,硝酸イソソルビドを冠注するが改善をせず,症状,心電図も改善しなかった.冠血管内超音波により,#2 から#3 にかけて解離腔が確認された.このため,冠動脈解離による冠灌流不全と診断した.治療方針として,ST上昇,胸部症状が残存しているため,経皮的冠動脈インターベンションによる血行再建を試み,#3 遠位部からステントIntegrity 3.0 × 15mm を,近位部にステントXienceAlpine 3.5×33mmを留置した.ステント留置後も右冠動脈末梢は冠攣縮によるものと考えられる狭小化を認めていたが,TIMI3の灌流が得られていたため,手技を終了した.第8病日経過観察目的で施行した冠血管内超音波でステント周囲に血腫の残存を認めたが,ステント内狭窄は認めなかった.また,ステント遠位部は,急性期と異なり血管拡張を認めていた.以上の結果より,冠攣縮による冠動脈解離が急性心筋梗塞の原因と診断した.退院時,アスピリン100mg/ 日,クロピドグレル75mg/ 日,ジルチアゼム塩酸塩200mg/ 日,ニフェジピン40mg/ 日,ニコランジル30mg/ 日,アトルバスタチン10mg/ 日内服にて,以後,自覚症状は認めていない.冠攣縮による冠動脈解離による急性心筋梗塞症例を経験したので文献学的考察を加えて報告する.