ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-801-FP-166 メトロニダゾールが奏効した、治療に難渋した急性虫垂炎に伴う汎発性腹膜炎の一例1)神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 救急診療科、2)神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 集中治療科山田 香里1)、林 拓也1)、永渕 弘之2)小児では、二次性腹膜炎の原因として急性虫垂炎の穿孔や腹腔内膿瘍に伴うものが一般的で、起炎菌は腸内細菌や嫌気性菌である。大腸菌と嫌気性菌の混合感染の場合、単剤の抗菌薬治療では耐性のことが多く、術後感染が増加するとされている。今回、急性虫垂炎の穿孔に伴う汎発性腹膜炎で外科治療、抗菌薬治療に抵抗性であったが、Metronidazol静注薬が奏効した症例を経験したので報告する。症例は生来健康な11歳男児。3日間の胃腸炎症状の後に腹痛が増悪し近医受診。急性胃腸炎に伴う急性腎不全の診断で入院したが、意識障害、ショックとなり循環血液量減少性ショックの診断で当院へ搬送となった。転院後、発熱、筋性防御、炎症反応高値、腹水から腹膜炎を疑った。腹部超音波検査で虫垂炎に伴う二次性腹膜炎の可能性が高いと考え、緊急開腹術を行い虫垂炎、汎発性腹膜炎の診断、虫垂切除術と腹腔内洗浄を施行した。Cefmetazole とAmikacin(AMK)を投与、腹水培養でEnterococcus が検出され感受性からAMKをVancomycin へ変更したが、発熱、炎症反応改善に乏しく、超音波上遺残膿瘍を疑い入院7 日目と21 日目の計2回膿瘍ドレナージ術を施行した。術後一旦は炎症反応低下傾向となるが、38℃の発熱持続と炎症反応は再上昇した。腹水培養ではBacteroides 属が検出され、治療抵抗性の腹膜炎と判断し、入院28 日目Metronidazole とCefpirome へ変更した。入院29 日目から解熱し、炎症反応は低下傾向となり38 日目には陰性化した。廃用症候群に対するリハビリ後、入院48 日目に退院した。FP-167 当院ICUにおける重症急性膵炎の病態と治療効果に関する後ろ向き検討宮崎大学 医学部 附属病院 集中治療部矢野 武志、日高 康太郎、長濱 真澄、越田 智広、與那覇 哲、松岡 博史、谷口 正彦、新福 玄二、白阪 哲朗、恒吉 勇男2009年から2013 年の5年間に、当院ICU へ入室した重症急性膵炎患者25名について、後ろ向き調査を行った。平均年齢59 歳、男女比は18:7 であった。いずれも急性膵炎と診断され、厚生労働省急性膵炎重症度判定基準に則り、重症急性膵炎と判断された。成因はアルコール(28 %)、胆石(24 %)、特発性(24 %)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(20 %)であった。予後因子およびCTgradeの中央値は、それぞれ4点とGrade 2であった。ICU入室後の治療として、初期輸液(入室後72 時間までに平均13,192 ml)、人工呼吸(52 %)、持続血液透析濾過(56 %)を行い、薬物療法として予防的抗菌薬(イミペネム56 %、メロペネム36 %)、蛋白分解酵素阻害薬(メシル酸ガベキサート88 %、ウリナスタチン28 %、シベレスタット4 %)が投与された。局所動注療法は3名(12%)に行われ、主にメシル酸ナファモスタットが投与された。選択的消化管除菌は行われなかった。播種性血管内凝固症候群(DIC)を高率に合併し、急性期DIC 診断基準に従うと、ICU1日目は44 %、2日目は60 %、3日目には68 %がDIC であった。DICに対する治療として、アンチトロンビン製剤(56 %)、 トロンボモデュリンアルファ(24 %)が投与された。ICU入室から28 日生存率は84 %、60日生存率は80 % であった。60日生存群および同死亡群の比較から、呼吸不全あるいは腎不全の合併が重大なリスク因子であることが示された(p = 0.0093)。人工呼吸あるいは持続血液透析濾過を必要とした14 名(生存群9 名、死亡群5 名)に着目すると、DIC 合併およびアンチトロンビン製剤使用に両群間で差はなかったが、トロンボモデュリンアルファ投与は生存群において有意に多かった(生存群4 名、死亡群0 名、p = 0.0362)。FP-168 現在の小児SIRS基準の問題点と今後に向けた改善点北里大学 医学部 小児科峰尾 恵梨、安藤 寿、江波戸 孝輔、緒方 昌平、石井 正浩【背景】小児Sepsis の診断に用いられているSIRS 基準は、年齢別の生理的Vital を参考に設定されており、低い閾値である可能性や体温を考慮した評価が必要な可能性が示唆される。【目的】小児Sepsis患者の経過について調査し、現在の小児SIRS基準について検討すること。【対象と方法】2014 年10月から2015年4月に当院に入院した15歳以下のSepsis患者を対象とし、年齢、性別、体重、満たしたSIRS 項目、Vital(体温、心拍数、呼吸数、収縮期血圧、SpO2)の経時的変化、血液検査、治療内容、最終診断、転帰などについて診療録をもとに後方視的に調査した。【結果】症例は全73例。男児 38例、女児 35例。年齢 1か月~15歳5か月(中央値:2 歳6 か月)、体重 3.5~40kg(中央値:11kg)。満たしたSIRS 項目は、体温が61 例、心拍数が45 例、呼吸数が61 例、白血球数が35 例であり、2 項目を満たしたものが26 例、3 項目が38 例、4 項目が9 例であった。Sepsis 46 例、Severe Sepsis 27 例、Septic shockはいなかった。最終診断は、呼吸器系54例、腎尿路系10例、中枢神経系9例であった。人工呼吸器管理はSepsisで3例、Severe Sepsis で22 例に要し、循環作動薬はSevere Sepsis の7 例に要した。在院日数は、Sepsis で3~39 日(中央値:10.5 日)、Severe Sepsisで4~44日(中央値:14日)であった。神経学的後遺症を残した例は1例で、死亡例はいなかった。【結語】小児Sepsis 患者の経過について調べた。Vital変化、血液検査をさらに評価し、小児SIRS 基準について見直す。