ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ページ
661/910

このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている661ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-659-CP27-4 早期回復に向けた包括的ケアの取り組み ~リハビリプロトコルを導入して~北九州総合病院 救命救急センター ICU角田 沙智、酒井 彩夏、河野 知美、桑原 周吾、深牧 静穂【はじめに】人工呼吸器からの早期離脱には浅鎮静と早期リハビリを含めた包括的ケアが必要である。今回、PAD バンドルを基にした評価方法を検討し、リハビリプロトコルの導入を行った。呼吸器離脱に向けた包括的ケアを確立することで、人工呼吸器管理日数やせん妄、ADL低下予防に繋がるかを明らかにすることを目的とした。【方法】対象は48時間以上人工呼吸器管理を受けた患者78 名とした。平成24 年7月から平成25 年8 月までの非介入の患者をA群、平成26年7月から平成27年8月までの鎮痛、鎮静、せん妄評価、リハビリプロトコルを導入し介入した患者をB群とした。各群とも39名で、人工呼吸器管理時間、集中治療室在室日数、せん妄発症日数はt検定で比較した。分析には表計算ソフトを使用し有意水準5%未満を有意とした。リハビリ開始日については平均値で比較した。【倫理的配慮】A 病院の倫理審査委員会の承諾を得た。文書で研究の趣旨、研究参加への意思決定の自由、個人情報保護などについて口頭で説明し同意書にて承諾を得た。【結果】対象者の年齢はA 群73.3(± 16.9)歳、B 群73.6(± 13.9)歳(p = 0.925)。APACHE2 スコアはA 群24.2(± 6.17)、B 群24.1(± 7.12)(p = 0.933)。人工呼吸器管理時間はA 群178.7 時間、B 群136.0 時間(p=0.048)。在室日数はA 群13.1 日、B 群12.0 日(p = 0.522)。せん妄日数はA 群3.0 日、B 群2.1 日(p=0.190)であった。リハビリ、端座位開始日はB 群でそれぞれ1.6 病日、4.4 病日短縮した。【考察】統一した評価を行い介入したことで適切な鎮痛管理が行え、浅鎮静での管理が可能となった。それにより、患者とコミュニケーションを図ることができ、患者のニードや意思の確認ができるようになった。また、プロトコル導入により他職種が共通認識のもと、患者の状態に応じた段階的なリハビリが早期から可能となった。評価方法の統一と早期リハビリ介入は人工呼吸器管理日数の短縮やADL低下予防に繋がった。CP27-5 ICU における重症患者のリハビリテーションに関する看護の実際さいたま市立病院 看護部 ICU谷口 聡子、杉山 しのぶ、山田 恵子【目的】近年、医療の進歩によりICUにおける重症患者の生存率は改善している。一方、退院後も筋力低下によりADLの自立に長期間を要し、患者のQOL に大きな影響を及ぼしている。今回、自立歩行で退院となったICU-AW疑いの患者2 症例を振り返り、ICUにおける重症患者のリハビリテーションに関する看護の実際を明らかにしたいと考える。【方法】1.データ収集:ICUに入室したCPA蘇生後の患者2 名に関わったICU看護師6名に、看護の実際を非構成的面接法(フォーカスグループインタビュー)にて面接を行う。入院中の医療者の関わりを電子カルテ閲覧方法に準じて記録より抽出する。抽出項目はADL・リハビリテーション・鎮静・栄養・治療・病態とし、情報を分類しながら収集する。2. データ分析:録音したインタビュー内容を逐語録におこし、確認し合いながら文節ごとに質的に分析する。分析内容の妥当性においてはスーパーバイズを受ける。6 項目に分類しながら収集した情報を、時系列に直し質的に分析する。ADL はバーセルインデックスにて再評価する。【結果】2 個のカテゴリー、6 個のサブカテゴリー、48個のコードが抽出された。カテゴリーは【リハビリテーションに関与した看護行為】と【リハビリテーションの捉え方】が見出された。【リハビリテーションに関与した看護行為】は看護の実際を表しており、<呼吸ケア><PTとの協働><鎮静管理>のサブカテゴリーが含まれる。【リハビリテーションの捉え方】はリハビリテーションというものをどのように考えているかを表しており、<リハビリテーションに関する固定概念><リハビリテーション開始時期の不確かさ><無意識なリハビリテーション>のサブカテゴリーが含まれる。【考察】日常生活動作の項目を取り入れたリハビリプログラムの構築により、日常生活ケアにリハビリテーションを組み込み介入していくことが可能となり、早期のADL 再獲得・QOL向上に繋がると示唆された。