ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-395-O1-4 小児集中治療室における事故抜管に関連する因子国立成育医療研究センター 集中治療科渡辺 太郎、松本 正太朗、西村 奈穂、中川 聡【背景】小児の集中治療の質を向上するうえで事故抜管(以下UE)を防ぐことは重要である。UE は気道の合併症、循環動態の悪化を招き、挿管期間の延長、呼吸器関連肺炎、死亡など悪い転帰と関連する。小児において危険因子としては年齢、挿管チューブの種類、鎮静度、計画抜管に向けたWeaning中などが知られている。また当院ではUEを減らすべく経鼻挿管による管理を積極的に行っているが、その有効性に関する報告は少ない。【目的】当院におけるUE の現状を把握し、経鼻挿管の有効性とともに関連する因子を明らかにする。【対象】2012年4月から2015年3月までの3年間に国立成育医療研究センターの集中治療室(ICU)に入室した16歳未満の挿管症例。【方法】症例対照研究。UEのあった症例をUE群とし、UEのなかった症例をPE群とした。UE群1症例に対して4症例を年齢と時期を合わせてPE 群からランダムに選択した群をControl 群とした。【結果】挿管症例1,106 例(総挿管期間8,682 日)のうちUEは26症例(0.30 UE/100挿管日数)だった。UE群とPE群の単変量ロジスティック回帰分析では、1歳未満(オッズ比3.51, 95%信頼区間1.46-8.42)がUE と相関した。UE群とControl群の条件付き単変量ロジスティック回帰分析は挿管期間(1.04, 1.01-1.07)、入室期間(1.04, 1.02-1.07)、挿管困難例(3.42, 1.08-10.8)、経鼻挿管(0.135, 0.0414-0.44)、VAP(7.31,1.81-29.5)がUEと相関した。それぞれの因子をステップワイズ法による多変量ロジスティック回帰分析した結果、入室期間(1.04,1.02-1.07)と経鼻挿管(0.143, 0.05-0.43)が相関した。【結語】事故抜管は1 歳未満の症例に多く、入室期間の延長という転帰に関連し、経鼻挿管は事故抜管を防ぐうえで有効である可能性が示唆された。O1-5 咳嗽時の腹腔内圧上昇によって計測される咳嗽強度は再挿管を予測しうるか1)東京ベイ・浦安市川医療センター 集中治療科、2)聖マリアンナ医科大学 救急医学片岡 惇1)、岡本 賢太郎1,2)、川口 剛史1,2)、内藤 貴基1)、藤谷 茂樹1,2)、則末 泰博1)【背景】自発呼吸トライアル(SBT)成功例であっても、抜管後喀痰排出困難により再挿管される患者は珍しくない。そのため抜管時は、呼吸状態の改善確認とともに、咳嗽ができることを確認する必要がある。咳嗽の強度は理論的には腹腔内圧の一過性上昇能力と正の関係があるとされるが、これまで過去に咳嗽時の腹腔内圧と抜管の関係を調べた研究はない。本研究ではSBT 成功後の患者の咳嗽強度を咳嗽時の腹腔内圧の上昇という客観的指標で測定し、咳嗽時の腹腔内圧が低いことが再挿管率と関連するかを調べた。【方法】当院ICUに入院し、挿管・人工呼吸管理をされていてSBTをクリアした患者を対象に、前向き観察研究を行った。抜管直前にベースラインおよび自発および誘発咳嗽時の膀胱内圧を測定した。膀胱内圧の測定は当科レジデントが行い、再挿管を判断する指導医には結果はブラインドされた。アウトカムは抜管失敗とし、抜管失敗は抜管後72 時間以内に再挿管となったことと定義した。【結果】2015 年4月から7 月までに当院ICU に入院した78 名を対象患者とした。抜管成功群が70 名、抜管失敗群が8名(10%)であった。年齢、挿管期間、抜管前の酸素化やRapid Shallow Breathing Indexについては両群間で差は認めなかったが、APACHE2 スコアは抜管失敗例で有意に高かった(p=0.048)。抜管失敗例の咳嗽時腹腔内圧上昇は抜管成功例と比べ低い傾向であったはが、統計学的に有意ではなかった(23.0 ± 20.4cmH2O vs 37.5 ± 22.7cmH2O, p=0.095, OR=0.963 95%CI=0.921-1.007)。咳嗽時腹腔内圧上昇が20cmH2O 以下であることをカットオフとすると、有意に抜管失敗を予測できた(p=0.041)。【結語】咳嗽時の腹腔内圧上昇は再挿管を予測しうる。最終的な結論にはさらなる症例集積が必要である。O1-6 当院ICUにおける抜管後再挿管症例の検討1)滋賀医科大学 医学部付属病院 救急集中治療部、2)滋賀医科大学 医学部付属病院 救急集中治療医学講座、3)滋賀医科大学 医学部付属病院 麻酔科藤井 恵美1)、宮武 秀光1)、清水 淳次1)、今宿 康彦3)、山根 晢信1)、辻田 靖之1)、田畑 貴久2)、高橋 完1)、江口 豊2)【背景】人工呼吸器装着時間は患者予後に関連する独立した危険因子の一つである。しかし抜管を急ぎ再挿管となれば長期人工呼吸の合併症を悪化させ、さらには死亡率の上昇を招くと報告されている。今回我々は抜管後再挿管に至った症例に対し、再挿管となる危険因子につき検討を行った。【対象と方法】当院ICUに入室した成人患者のうち2013 年4 月から2015 年7月の間に抜管を試みた症例を対象とした。全例で抜管前にSBT 成功、カフリークテスト陰性を確認している。抜管後48 時間以内に再挿管となった症例を再挿管群とし、抜管成功群と再挿管群を年齢、性別、抜管直前ステロイド使用、入室時SOFA、APACHE、挿管期間、抜管時P/F 比、RSBI、抜管時SIRSスコア、血液検査(血算・凝固・生化学)、抜管前日のIN/OUTにて比較検討を行った。【結果】対象症例は261例で、そのうち再挿管となったのは12 症例(再挿管率 4.5%)であった。年齢、性別、入室時SOFA、入室時APACHE を含め、患者背景に統計学的有意差を認めなかった。抜管時の指標にて2群を比較したところ、挿管期間が有意に長く(1.00日vs 4.50日; p=0.005)、RSBI値が有意に高かった(42.5 vs 63.0; p=0.034)。交絡因子として抜管時P/F比、RSBI値、挿管期間、前日のINOUT、抜管当日のCRP値、抜管当日の白血球数を加えた強制投入法によるロジスティック回帰分析を行ったところ、抜管当日の白血球数のみが有意となった(odds ratio, 1.17; 95%CI, 1.030-1.337、p=0.016)。【考察】今回の検討では、再挿管の危険因子といわれている呼吸評価の指標に対し多変量解析を行ったが、いずれも有意とはならず、抜管当日の白血球数に対してのみ有意差が認められた。白血球数は炎症や感染における迅速な指標の一つであり、他の指標では捉えきれていない何らかの炎症が、抜管時における分泌物増加や気道の浮腫などを誘発し、再挿管の原因となっている可能性があると考えられた。