ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-392-AW5-1 院外心停止患者の蘇生努力の医学的無益性の量的判断における初期波形の重要性1)東京大学大学院医学系研究科 救急医学、2)東京大学医学部附属病院 救急部・集中治療部福田 龍将1,2)、大橋 奈尾子1)、松原 全宏2)、土井 研人2)、橘田 要一1,2)、中島 勧2)、矢作 直樹1,2)【背景】院外心停止で観察される初期波形の多くはNon-shockable rhythm である。Non-shockable rhythm は、「目撃なし」や「Bystander CPRなし」と同様に、転帰不良と関連していると考えられている。しかしながら、初期波形ごとの詳細な転帰の検討は行なわれていない。【目的】本研究は、目撃もBystander CPR もないNon-shockable rhythmの院外心停止における、初期波形と神経学的転帰の関係を検討することを目的とした。【方法】総務省消防庁の救急蘇生統計データを用いて、2005年1月から2010年12 月に日本で発生した成人の目撃もBystander CPR もないNon-shockable rhythm の院外心停止患者213,984 人について検討した全国規模集団ベース後ろ向きコホート研究で、主要評価項目は心停止から1ヶ月後の神経学的転帰とした。【結果】対象は213,984 人( 男性59.1 %, 平均年齢72.0 ± 16.7 歳) で、Pulseless Electrical Activity(PEA) は31,179 人(14.6 %)、Asystole は182,805人(85.4%)であった。心停止後1ヶ月の神経学的転帰はPEA群で良好であった(1.4% vs. 0.2%, p<0.0001)。交絡要因(年齢、性別、心停止の原因、エピネフリン投与の有無、高度気道確保の有無、救急要請から患者接触までの時間、暦年)調整後も、PEAは良好な神経学的転帰と関連があった(adjusted OR 7.86; 95%CI 6.81-9.07)。年齢によるサブグループ(18-64, 65-84, ≧ 85歳)解析では、PEAでは≧85歳の患者群でさえ神経学的転帰良好な生存者の割合は1%以上であったのに対して、Asystoleでは全ての年齢層で1%未満であった。【結論】院外心停止の治療において、PEA とAsystole はNon-shockable rhythmとして同様に扱われることが多いが、量的医学的無益性の観点からは明確に区別されるべきである。優秀演題 5 2月13日(土) 13:30~14:30 第4会場AW5-2 非高齢者や非心原性心停止では即時の心肺蘇生は迅速な通報より優先されるべきかもしれない1)金沢大学、2)石川県立中央病院、3)金沢大学附属病院救命センター稲葉 英夫1,3)、明星 康裕2)、太田 圭亮2)、後藤 由和1)、前田 哲生1,3)、船田 晃1,3)【目的】迅速な通報または心肺蘇生の院外心停止の予後に対する効果を比較する。【方法】2005から2012年の間に我が国で記録された952,288件の院外心停止のうち、41,734件は市民により目撃され、病院前の医師の関与がなく搬送され、バイスタンダーによる自発的な心肺蘇生を受けていた。これらの心停止から、以下の3 群の心停止を抽出した。Immediate Call+CPR : 即時の心肺蘇生と迅速な通報(N=10,195、目撃後1分以内に心肺蘇生または通報、心肺蘇生と通報の時間差は1分以内)、immediate Call-first:迅速な通報優先(N=1820、目撃後1分以内に通報、心肺蘇生は通報後2~4分)、immediate CPR-first: 即時の心肺蘇生優先(N=5446、目撃後1分以内に心肺蘇生開始、通報は開始後2~4分)。機能良好1ヶ月生存を3群で比較、心停止原因(心原性/非心原性)、年齢、バイスタンダー(家族/ その他)との交互作用を検討後、各サブグループで予後をCall-first 群とCPR-first 群で比較した。【成績】Call+CPR、Call-first、CPR-first の各群の全体での生存率は、それぞれ11.5、12.4、11.5% であり、有意な差はなかった。各サブグループで単変量で有意であった因子を含めた多変量解析を行った結果、CPR-first群はCall-first群よりも、非心原性心停止において2.01(95%CI: 1.39-2.98)倍、非高齢者において1.38(1.09-1.76)倍、機能良好1ヶ月生存を改善することが判明した。【結論】通報の大きな遅れをもたらさない心肺蘇生優先の一次救命処置行動が、十分な技術を有する一人のバイスタンダーが非高齢者ならびに非心原性の心停止を目撃した場合には推奨される。