ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-386-AW2-1 出血性ショック後蘇生の急性腎障害におけるIL-10のアポトーシスとオートファジーの影響について近畿大学 医学部 救急医学 救命救急センター村尾 佳則、濱口 満英、松島 知秀、植嶋 利文【はじめに】出血性ショック後の急性腎障害においてIL-10ノックアウトマウスでは尿細管における腎障害が軽減された結果が得られた。また、出血性ショック後の腎障害にHeat Shock Protein群の発現の関連性を報告した。今回、私どもはアポトーシス関連蛋白であるCaspase-3とオートファジー関連蛋白であるLC-3がどのように影響を及ぼしたかを検討した。【方法】wild typeのC57BL6/JマウスとIL-10ノックアウトマウスを用い、全身麻酔下に左大腿動脈にPE10 のカテーテルを挿入し、ヘパリン100U/kgを投与後脱血し血圧を40±5mmHg に60分保つモデルを作製した。蘇生液として脱血血液の2 倍量のラクテートリンゲル液と脱血血液を作成し、無処置のControl 群間での2、4、24、48 時間後のCaspase-3,LC-3 の発現をDAB 染色を行い検討した。【結果】Caspase-3 はwild type、ノックアウト群ともに尿細管において、発現は少なかった。LC-3はwild typeに多く発現し、ノックアウト群では発現は抑制されていた。【考察】出血性ショック後の腎尿細管においては、IL-10がLC-3の発現を増強する働きがあると考えられ、オートファジーが関与している可能性が考えられた。優秀演題 2 2月12日(金) 13:30~14:30 第4会場AW2-2 溶血性尿毒症性症候群の病態における補体系レクチン経路活性化の関与1)聖マリアンナ医科大学 救急医学、2)ブリガム・アンド・ウィメンズ病院 麻酔科尾崎 将之1,2)、下澤 信彦1)、森澤 健一郎1)、柳井 真知1)、和田 崇文1)、藤谷 茂樹1)、Gregory Stahl2)、平 泰彦1)【背景】腸管出血性大腸菌感染に伴う溶血性尿毒症性症候群(STEC-HUS)の病態は依然解明されていない。しかしながら補体C5に対する抗体であるエクリズマブがSTEC-HUSに対し奏功した症例が報告されており、その病態に補体活性化が関与していることが推察される(N Engl J Med. 2011;364:2561-2563)。我々は補体系の中でも特にレクチン経路がその病態に関与すると考え、マウスを用いてSTEC-HUS の病態におけるMBL の役割について研究を行った。【方法】ヒトのレクチン経路を再現するため、野生型マウスのマンノース結合レクチン(MBL)をノックアウトし、ヒトのMBL(MBL2)をノックインしたマウスが作成されている(Am J Pathol. 2015;185:347-55)。このマウスに志賀毒素を腹腔内投与(125pg/g)し、4 日後に腎機能マーカー測定、糸球体濾過量(GFR)測定、腎臓組織の採取をおこなった。またMBL2に対するモノクローナル抗体3F8を前投与したマウスに対し志賀毒素投与を行い、同様に腎機能及び腎組織の評価を行った。【結果】志賀毒素投与マウスでは血清クレアチニン値及びシスタチンC値の上昇と、GFR の低下を示した。腎の組織学的所見として、HE染色では近位尿細管の脱落、抗フィブリン抗体を用いた免疫染色では糸球体へのフィブリン沈着を認めた。MBL2 に対するモノクローナル抗体3F8 の前投与によりこのSTEC-HUS疾患モデルにおける腎機能マーカー値上昇、GFR 低下、腎病理異常所見はいずれも改善を示した。【考察】本研究ではSTEC-HUS重症化には補体系レクチン経路の活性化が関与していることが動物モデルにおいて示された。補体レクチン経路は凝固系を活性化することが知られており、微小血栓の発生に関与している可能性がある。また、MBL2 をノックインしたマウスにおいてMBL2 の阻害が志賀毒素による腎機能障害の重症化を軽減することが示された。今後3F8がSTEC-HUS の治療にに応用される可能性が示唆された。