ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-330-CR8-1 プロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法は重症急性膵炎に対して効果を認めなかった1)慶應義塾大学医学部 内科学(消化器内科)、2)国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科、3)自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部、4)慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学、5)大阪府済生会千里病院 千里救命救急センター、6)広島市立広島市民病院 麻酔集中治療科、7)関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科)、8)産業医科大学 救急医学講座堀部 昌靖1)、佐々木 満仁2)、讃井 將満3)、杉山 大典4)、岩崎 栄典1)、澤野 宏隆5)、後藤 隆司6)、池浦 司7)、金井 隆典1)、真弓 俊彦8)背景この研究の目的は急性壊死性膵炎を含めた重症急性膵炎におけるプロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法の有効性と安全性の検討である。方法この研究は日本の44 施設で行われた後ろ向き多施設観察研究である。2009 年から2013年の間に重症度判定基準(2008厚生労働省)により重症急性膵炎と診断された18歳以上の患者を対象とした。プロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法と死亡率、感染率、侵襲的処置率の3つのアウトカムの関連を多変量解析にて検討した。結果集まった1159人のデータのうち、多変量解析を行うために必要な全てのデータを有していた1097人を用いて解析した。374人(34.1%)の患者がプロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法の治療を受けており、723人(65.9%)が治療を受けていなかった。多変量解析において、プロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法は死亡率(オッズ比:0.79, p=0.36)、感染率(オッズ比:0.97, p=0.89)、侵襲的処置率(オッズ比:0.76, p=0.19)のいずれのアウトカムとも有意な関連は認めなかった。また、関連する合併症の発生率は7.7%(29/374)であった。結論プロテアーゼインヒビターの持続的局所動注療法は重症急性膵炎に対して効果を認めなかった。委員会報告 8 2月13日(土) 15:40~17:40 第13会場日本からevidenceを発信しようCR8-2 NEuromuscular pathology in CRitically ill patients: an autOPSY study: “NECROPSY study”横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部武居 哲洋、畠山 淳司重症患者のびまん性四肢筋力低下が話題となっているが,実際に重症患者の神経筋にいかなる変化が起こっているかの情報はきわめて限られている。重症患者コホートにおける左右対称性の四肢筋力低下をきたす症候群として,ICU-acquired weakness(ICUAW)という概念が知られるが,人工呼吸を3日以上要した患者の33%(de Letter MA. Crit Care Med 2001),敗血症,多臓器不全,長期人工呼吸のいずかに当てはまる重症患者の46%(Stevens RD. Intensive Care Med 2007)にICU-AW が発症したとされる。これらの知見はおもに,臨床所見や電気生理学的検査から得られたものであり,ときに診断目的の筋生検が行われることがある。しかし,重症患者の四肢の神経・筋,脳神経支配の神経・筋,呼吸筋や横隔神経を含む体系的な神経・筋の剖検研究は,我々の知る限り存在しない。NECROPSY study は,ICU-AW発症の有無にかかわらず,3日以上の人工呼吸を要した患者の様々な部位の神経筋病理所見を,体系的に明らかにしようという多施設共同剖検研究である。昨年の本学術集会において,5 症例の中間解析を報告した。その後さらに現時点で5 症例の剖検症例が追加されたため,2回目の中間解析を報告したい。