ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-297-WS2-3 ICU退室患者の妄想的記憶1)筑波大学 附属病院 集中治療室、2)筑波大学 大学院 人間総合科学研究科 フロンティア医科学専攻卯野木 健1)、吉野 靖代1,2)ICU退室後の患者の中に「殺されそうになった」「追いかけられた」などの妄想的な記憶をもつ患者いる。この妄想的な記憶は、私たちからみると真実ではないが、患者本人にとっては現実に起きた出来事と捉えられていることもあるし、あるいは、患者本人も現実に起きた出来事ではないと思っているが、現実に起きたかのように思い出せる記憶として刻み込まれていることもある。これらの妄想的な記憶は不快な思い出として患者の心に残り、妄想的記憶はICU退室後のPTSDと関連していると考えられている。しかし、どのような患者に妄想的な記憶が生じるのか、また、どのような機序で生じるのかに関しては未だ不明な点が多い。本発表では、ICU退室患者の妄想的な記憶に焦点をあて、わかっていること、わかっていないことを明らかにし、課題を共有したいと考えている。WS2-4 大切な家族員が集中治療を受けることによる家族への長期的影響一般社団法人 平成紫川会 小倉記念病院立野 淳子近年の医療の進歩は目覚ましく、複数疾患を併せもつ重症患者でも救命できる機会が増えています。しかし、命は助かったけれども、長期的には死亡率が上昇することやQOL が低下していることは無視できない問題です。今や、集中治療の目指すところは、命を救うことに留まらず、その先の長期的なQOL の回復にあります。2012 年、米国集中治療医学会(SCCM:Society of CriticalCare Medicine)の合同カンファレンスにおいて、重症患者が集中治療を受けた後の後遺症としてPICS(Post Intensive CareSyndrome: 集中治療後症候群)の概念が示されました。加えて、ICU退室後の長期アウトカムを改善するための指針が提示されたことも集中治療のゴールをより後方にシフトする考え方を促進させたともいえます。 PICSとは、重症疾患後に発症もしくは悪化した身体面、認知面、精神面の機能障害であり、これらが複雑に影響しあうことで患者や家族のQOLが低下すると考えられています。PICSでは、ICUで集中治療を受けた生存患者のみならず、家族のメンタルヘルスにも影響を及ぼすことが示されています。大切な家族員が生命の危機に直面し、集中治療を受ける状況は家族にとっても計り知れないストレスです。また、家族の一人が入院することにより、家族内の役割の変化や経済的問題、時には、患者に代わって様々な意思決定を求められるなど、家族は多重ストレスを抱えています。先行研究によると、患者のICU 入室中のみならず、退出後においても家族が高い割合で不安や抑うつ、PTSD などの症状を有していることが明らかにされており、QOL の低下を招く重大な問題として捉えられています。 本シンポジウムにおいて、私は、メインテーマであるPICS の中でも家族のメンタルヘルスに着目し、その現状や家族ケアについて文献や事例を通して整理したいと思います。そして、本シンポジウムを通して、大切な家族員が集中治療を受けることが家族にどのような影響を及ぼすのか、そして予防や症状を改善のためにすべき家族ケアとは何かついて皆様と議論できればと思います。