ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集

-242-SY13-3 抜管後呼吸不全予防におけるHigh Flow Nasal Cannula Oxygenの有効性の検討1)東京女子医科大学東医療センター 救急医療科、2)東京女子医科大学東医療センター 看護部、3)東京女子医科大学東医療センター 臨床工学室、4)東京女子医科大学東医療センター Respiratory Support Team高橋 宏之1,4)、赤池 真奈美2,4)、小林 利通3,4)、川名 由浩3)、栗山 桂一1)、吉川 和秀1)、植木 穣1)、高橋 政照1)、磯谷 栄二1)【背景】High Flow Nasal Cannula Oxygen(HFNC)には非侵襲的に気道抵抗の減少や軽度のpositive airway pressureを生じさせる特徴があり、抜管後にHFNC を使用することで抜管後の呼吸循環の負荷を軽減させる可能性がある。当センターの実績では抜管後呼吸不全のリスクが高いと考えられる患者66 例に対して抜管直後からHFNC を使用することで呼吸状態の悪化なく抜管することが可能であったが、HFNC非使用例との比較はしていないため有効性ははっきりしていなかった。【目的】抜管後呼吸不全予防におけるHFNCの有用性をベンチュリー式マスクによる酸素療法と比較して検討する。【対象と方法】2015年3月から当センターへ入院し48 時間以上の人工呼吸器管理を受けた成人患者のうち、抜管後呼吸不全のリスクのある症例を対象に、抜管後にHFNCを使用する群とベンチュリー式マスクによる酸素療法を行う群にランダムに分け、72時間以内の再挿管率を比較した。抜管後呼吸不全のリスクとして、年齢65 歳以上、慢性心疾患あるいは慢性肺疾患の既往、高度肥満、自発呼吸トライアル時にPaO2/FiO2≦ 300 を設定した。患者背景などの両群間の比較はMann-WhitneyのU検定、転帰の比較はχ2 乗検定またはFisherの正確確率検定で行い、有意水準5% をもって有意差ありとした。【結果】2015 年8 月までにHFNC 群23 例、ベンチュリー式マスク群22 例の検討を行った。72時間以内の再挿管例はHFNC群0例、ベンチュリー式マスク群2例で、現在のところは有意差を認めていない。【考察】ベンチュリー式マスク群の再挿管率は9% と従来と同程度であり、HFNC群ではさらに再挿管率が低下する可能性があった。呼吸数、および血液ガス検査の検討では、P/F比、PCO2、PHに差は認められないが、24時間後の呼吸数はベンチュリー式マスク群で高値となる傾向にあった。【結語】HFNC には抜管後呼吸不全を予防する効果が期待される。今後も症例数を増やし検討していく方針である。SY13-4 High-flow nasal cannula療法の適応と限界1)大崎市民病院 麻酔科、2)東北大学病院 集中治療部、3)東北大学病院 麻酔科紺野 大輔1)、斎藤 浩二2)、民井 亨3)、星 邦彦2)、亀山 良亘2)、山内 正憲3)High-flow nasal cannula(HFNC)は簡便かつ快適に高流量、高濃度酸素投与が可能であることから、呼吸管理に用いられる頻度が増えている。その反面、欠点や限界など負の側面についての報告は少ない.今回、東北大学病院ICUにおいて2011年から2013年にかけて使用した148例のHFNCの経験をもとに、臨床使用上の注意点と負の側面から見た適応について概説する.【HFNCの現状】従来の酸素療法とNoninvasive ventilation(NIV)の中間的な存在として、心臓血管術後、肺炎などの呼吸不全、小児症例など様々な症例で有用であり、今後さらに適応が広がっていくことに疑う余地はない。当院でも抜管後の低酸素血症に対してはHFNC の使用頻度が増え、NIV を使用する症例数が減少している。またせん妄症例でマスクやNIVの受け入れが悪い症例に対しても、HFNCにより酸素化を維持することが可能な症例は増えている。【NFHCの限界】様々な呼吸生理学的上の利点があるが、気道への陽圧付加については、実際には様々な要因によって圧が変化し、あまり高い圧は期待できない。そのため肺胞虚脱が強い症例では、リクルートするのに十分な陽圧を付加できない。換気補助はほぼ望めないため、不用意な継続使用は呼吸筋疲労を招くこともある。HFNCで酸素化が高水準で保てるにも関わらず、呼吸数や呼吸パターンの改善が見られない症例では侵襲的呼吸管理が必要であった。当院のHFNC脱落症例は45例あり、気管挿管20例、NIV10例、その他に死亡症例や離脱できず病棟に転棟した例などがあった。【HFNC の非適応】1)HFNC を行っても酸素化を保てない、2)酸素化を保てても呼吸努力が改善しない、又は悪化する、3)強い陽圧や換気補助が必要、これらの症例は侵襲的呼吸管理に移行するべきである。まだ統一した見解はないが、HFNC 開始前後で、より高度な呼吸管理へ移行すべき病態やタイミングを評価することが重要である。