第53回日本集中治療医学会近畿地方会を担当させていただくことになり、まことに光栄に存じます。本年はまさに、医療崩壊という言葉が現実のものとして語られるようになってきており、毎日のように医療事故、医師不足、いわゆる救急たらい回しといったニュースが流れております。この原稿を書いている時点では未定ですが、学会が行われる頃には厚生労働省の「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」が成立している可能性もあります。私が京都大学で集中治療に初めて参画したのは1994年ですが、このわずか15年の間の医療を取り巻く環境の激変は本当に気の遠くなるほどのものであると感じております。このような時代に集中治療を行うことは、重症患者管理という大変な仕事に加えて、常に医療事故を意識した身を削るようなストレスにさらされる事かと思います。この地方会では、そのような日々のストレスを忘れて純粋に集中治療の議論に没頭できるような環境を提供したいと考えております。会場は私の母校の中にあります芝蘭会館にさせていただきました。交通の便や会場の広さ等ご不便をおかけする部分もあろうかとは存じますが、京都大学の学究的な空気が、学会の議論を深めてくれることを期待しております。特別講演を麻酔科出身の新進気鋭の集中治療医として、今まさに大活躍をされております鹿児島大学 集中治療部の垣花泰之先生にお願いしました。「集中治療医学の光と陰」という題で、我々が現在直面している集中治療の命題について講演していただきます。看護部はテーマとして「集中治療における摂食・嚥下訓練について」を設定し、この話題につきまして事例検討を行った後、兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座 岸本裕充先生に教育講演を行っていただきます。ランチョンセミナーとして浜松医科大学 集中治療部の土井松幸先生に「DEXとハサミは使いよう - 使いこなすための留意点」、大阪府済生会吹田病院 ICUの小林敦子先生に「集中治療医のための重症感染症診療のコツ」、奈良県立医科大学 麻酔科学教室の川口昌彦先生に「周術期におけるβ遮断薬使用の動向」を講演していただきます。いずれも大変興味深い演題であり、必ずや皆様の翌日からの診療に役立つであろうと期待しております。

北野病院麻酔科は1民間病院の1部門に過ぎず、集中治療部も20064月発足という若さです。至らぬところは多々あろうかと存じますが、628日(土)は1日充実した時間を過ごしていただけるように、我々一同最大限の努力をさせていただく所存です。多くの方のご参加をお願い申し上げます。



ご挨拶