学会概要・沿革

Overview and History

学会概要

日本集中治療医学会
 日本集中治療医学会は1974年に設立されました。設立25周年の1989年には第5回世界集中治療医学会を京都で開催し、2001年からは日韓ジョイントコングレスを毎年相互に開催しています。また、2009年から多国間でのinternational joint clinical study projectsが始まりました。 2012年4月の学会会員数は9,095名で、医師会員、看護師会員、臨床工学技士会員がそれぞれ約6,400名、約2,300名、約300名、2016年の段階で会員の職種区分をなくし、2017年2月の段階で 学会会員数は11,300名となりました。集中治療は、 医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士などの多職種の連携体制として、24時間体制で集中治療を行う急性期診療領域です。

  集中治療室( ICU , Intensive Care Units ) には、一般病棟、救急外来、 手術室 などから最重症で集中治療を要する患者さんが収容されます。さまざまな臓器が傷害を受けることに対して、人工呼吸器、血液浄化装置、経皮的心肺補助装置などの生命維持装置や生理機能情報監視装置などの医療機器や静脈薬などを安全かつ効率的に使用して、重症患者さんに対する集中治療を実践しています。2006年に行われた本学会の全国調査によれば、ICUのベッド数は人口10万人あたり4ベッドで、欧米の7~24ベッドと比較して少ない状況です。日本集中治療医学会専門医研修施設の機能別分類では、一般総合ICU(約60%)、術後ICU(約10%)、救命救急ICU(約10%)、冠・心疾患CCU(約5%)の順であり、現在、より一層に重症管理部門として進化してきています。今日では集中治療部門の存在は、中規模以上の急性期病院における重症患者管理に不可欠のものとなっています。

 日本集中治療医学会は、集中治療専門医の資格を審査し、集中治療専門医の育成を行っています。 1989年より集中治療専門医制度を発足し、 2016年4月で1,436名の集中治療専門医を育成してきました。 今後は、日本専門医制認定・評価機構の認定基準等と連動した試験制度に変革して、集中治療専門医の知識・実践技術の向上を図るとともに、集中治療におけるデータベースの構築、世界レベルの臨床治験、集中治療における 諸外国との連携や支援 などを通して、広い視野から集中治療分野に貢献して行きます。看護師向けとして、ICU・CCU看護教育セミナー、家族への心のケアセミナーなどの必要な教育セミナーを企画し、若手看護師の育成やICU看護技術の向上を図っています。臨床工学技士においては、ICUにおける生命維持装置や生理機能情報監視装置の保守・点検および安全管理に貢献しています。

 また、日本集中治療医学会は、1976年より準機関誌、1994年より機関誌、 2013年より英文機関誌 Journal of Intensive Careを発刊し、 年間150編以上の科学論文を掲載し、集中治療分野の教育・研究・臨床に寄与しています。このように、日本集中治療医学会は、世界や国内のさまざまな医学会と連動して、集中治療の学術と教育を発展させ、集中治療の「質」と「安全」を高めるものです。

 急性期重症患者さんの最重症治療における最後の砦として、 日本集中治療医学会は 集中治療医学分野を支援・発展させるべく、高い目標に向かって歩み続けています。

沿革

■ 日本における集中治療の沿革
1964年11月 順天堂大学附属病院で本邦初のICU13床設立(名称は回復室)
1968年 1月 東北大学附属病院で重症系モニター装備の集中治療部設立
1973年 日本麻酔科学会がICU設置基準を発表
1974年2月9日 第1回ICU研究会 会長 東北大学 岩月賢一 三井日比谷ホール 一般演題24題、参加者約200名
1976年 査読制度を有する研究会誌("ICUとCCU"、後の準機関誌)を発刊
1978年 集中治療管理加算発足
1979年 会則制定し日本集中治療医学会と改称、以後、年1回の総会を開催
1987年  専門医制度委員会を発足 1989年に第一号専門医誕生
1989年  第5回世界集中治療医学会 京都国際会館
1993年  査読制度を有する学会機関誌、日本集中治療医学会誌発刊
1995年  全国7ブロックによる地方会を設置し年1回の地方会開催を定める
1995年  専門医制度規則制定 翌年より試験による審査を開始
1999年  日本集中治療医学会ウエブサイト発足
1999年  日本医学会において93番目の分科会として認定
2007年10月3日 有限責任中間法人に移行
2007年 厚生労働省 医政発第0330016号「集中治療室(1CU)における安全管理指針」
2009年2月25日 一般社団法人に移行
2013年 日本麻酔科学会、日本救急医学会、日本小児科学会に打診し、サブスペシャリティーの専門医となる
英文機関誌Journal of Intensive Care発刊
2014年 特定集中治療室管理料加算の層別化
2017年1月 7支部が発足(7地方会解散)
■ 国外における集中治療の沿革
1923年 米国Baltimore のJohne Hopkins大学病院 脳外科術後専用ICU3床
1927年 米国Chicago のSarah Morris Hospital に未熟児で生まれた子供のinfant care center開設
1952年 麻酔科医Ibsenがポリオ患者に陽圧人工呼吸管理を試み成功、救命率が飛躍的に向上
1953年 デンマークCopenhagenの市立病院にIbsenにより本格的なICU開設
1958年 米国Baltimore City HospitalsのJohns Hopkins Bayview Medical Centerに初めてのmultidisciplinary intensive care unit (ICU)を開設。24時間体制の本格的ICUでin-house physician (anesthesia resident)が常勤。
1960年 JAMAにprogressive patient careという概念が提唱され、重症度に応じて病棟を編成すると効率的、効果的に優れた医療が提供できることを実証した。
1972年 米国集中治療医学会発足
1986年 American Board of Medical Specialtiesが麻酔科、内科、小児科、外科を基盤とした集中治療専門医制度を認定
2002年 欧州連合で集中治療専門医の研修プログラムと資格認定を統一する試みはじまる