理事長あいさつ

President

理事長 西村匡司
徳島県立中央病院 病院長

第45回日本集中治療医学会学術集会後より、第2期目の理事長を拝任しました。これまでの2年間、日本集中治療医学会が良くなるために全力で取り組んできたつもりです。目に見えるような成果が十分であったのか、理事長の職務を十分果たしたのかは会員の皆様からの評価を真摯に受け止めたいと思います。

今後の2年間で達成すべきことは多々ありますが、まず目指したいのは集中治療科の公的認知です。集中治療医が現在医療において果たしている役割は非常に高いものです。しかし、一般社会はじめ医学界においても十分認知されていません。活躍に見合った評価、地位を確立することが大きな目標です。まず、「集中治療科医」と書けないところが課題です。独立した科となるにはいくつかの高い壁があります。しかし、明確な目標として設定して前進していかなければなりません。何よりも必要なことは学問体系が整っていることです。

日本専門医機構の下で基本診療科の専門医プログラムが本年4月から始まるのはご存知の通りです。集中治療医学会は麻酔科学会、救急医学会のサブスペシャリティーです。専門医機構のプログラムが始まるのは基本診療科より遅いものの、いつでも対応できるように準備をしなければなりません。PICUの関係で小児科学会との連携も必要です。昨年には内科学会も含めて合同会議を開催しました。現時点ではサブスペシャリティーに日本専門医機構からどのような指摘があるかは不明です。機構から連絡あり次第、対応できるように準備中です。専門医テキストは第2版が出版され第3版の準備も始まりました。知識の刷新のためにe-learningやe-testの整備も進んでいます。座学ばかりではなく、実技セミナーの充実にも力を注いできました。毎回、多くの人が参加しています。今後もさらに実技セミナーを充実させるとともに支部での開催についてはサポートを惜しみません。多くの学会員が容易に参加できるようにしたいと考えています。このように専門医教育についてはかなり整ってきました。

学問体系が整っているために欠けているのは学生への対応です。集中治療医学講座が開設され、集中治療医学の教授が若干名誕生しています。医学生時代から集中治療医学とは何かを教育できる場ができることは非常に大切なことです。これを推進するためには、講義に利用できる教科書の存在が必須です。専門医に対応する書籍は上記のように整ってきましたが、学生が読むべき教科書として推奨できるものは残念ながらありません。学会としての大きな課題です。今後2年間で何とか達成したい目標の一つです。

他学会との緊密な連携も重要課題です。ここでの他学会とは医師以外の職種の学会です。特定集中治療室管理料の加算にも多職種の関与が必須となっています。看護師、臨床工学技士はもちろんですが、今後はリハビリテーション、薬剤師等の学会との連携が重要になってきます。多職種の学会が連携し、コミュニケーションを緊密にすることは日本集中治療医学会にとって益々重要性を増してくると考えています。

今後も日本集中治療医学会の発展のために尽力する覚悟です。会員の皆様からのご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。また、学会発展のための忌憚ない意見をいただきますようお願い申し上げます。

2018年4月10日